パーソナライズドメールの効果を最大化させるための4つのポイントとその実現方法

あなたは自分がお買い物をしたECサイトから一斉配信と思われるメルマガが毎日たくさん送られてきて嫌になった経験はありませんか?
顧客へのメッセージ配信手法はLINEやSMS、郵送DMなどいろいろな手法が広がっていますが、実はECのリピーター対策ではまだまだメール経由の再注文が圧倒的に多いと言われています。

今回の記事ではこのメールの中でも、顧客にあわせた内容を送ることで高い効果をあげることができる「パーソナライズドメール」について、効果を最大化させるための4つのポイントと、実現方法を解説します。
お客様の興味にあわせたコンテンツで、エンゲージメントを高められるメッセージ配信を目指しましょう。

そもそもパーソナライズドメールとは?

個人ごとに最適な内容を差し込んで配信するメールをパーソナライズドメールといいます。元になっているパーソナライゼーションという言葉はOne to One マーケティングとも言われ、マーケターの間では一般的になりつつありますが、CRMでこれを実現できている企業はまだごく一部です。だからこそ今これを実現できているECサイトは顧客からも喜ばれ、非常に効果的にリピーターを増やすことができています。

パードナライズドメールの効果を最大化させるポイント

1.個人別の件名

メールを見る際に一番最初に目に付くのが件名です。パーソナライズドメールというと開封したコンテンツ部分が注目されがちですが、顧客は件名によってメールを見るかどうか判断しています。そのため件名を個人別に表示することで、おおもとの開封を増やして購入数を最大化させることができます。例えば昔からよくある手法では件名に受信者の名前を差し込む施策がありますが、他にも顧客が興味を持つであろう商品名、キャッチコピーを個人別に自動挿入することは非常に有効であるにもかかわらず、実現できているショップは少ないです。

2.個人別のファーストビュー

件名と同じロジックで、顧客が最初に目に触れるところから改善することが、効果の最大化につながります。メールコンテンツではファーストビューが最も重要です。なぜなら見ている母数が多いため改善効果が大きくなるからです。メールを下にスクロールするほど閲覧母数は減り、目立たないところを改善しても改善効果は小さくなってしまいます。(大規模サイトでは目立たないところも一定の母数が見ており対策の費用対効果があるケースもあります)
このファーストビューにおすすめ商品など個人別のコンテンツを差し込むことで非常に大きな改善効果をあげることができます。

3.レコメンドの予測精度

お客様が興味を持つであろう商品を予測して、ひとりひとりに自動表示することをレコメンドといいますが、この予測精度によって効果が大きく変わります。
ひとくちにレコメンドといってもその手法によって予測精度が高いものから低いものまで存在します。例えばAIを使ったレコメンドの場合、どんな学習データを利用しているかは判断の1つの目安になる場合があります。より多くのデータを学習した方が予測精度はあがりますが、一方で計算コストも増加します。そのため利用するレコメンドエンジンによってはECでは費用対効果があわない場合があるため注意が必要です。レコメンドによる売上向上効果を試算してそれに対してどの程度まで費用をかけられるかの判断が必要になります。予測精度が高くECに特化したレコメンドエンジンを利用した場合、メール経由の売上が継続的に2〜3倍になり、かけた費用の10倍の売上向上効果が出たというケースも存在します。

4.クリエイティブの質

キャッチコピー含めたデザインの質は直接お客様の目に触れる部分のため非常に重要です。どんなに高い精度でパーソナライズされたコンテンツを表示しても、人の心を動かす言葉やデザインがなくては最終的な購入には至りません。そのためにマーケターはデータだけではなく、メッセージを受け取るリアルな人間を想像して適切なクリエイティブを届けなくてはなりません。この部分は意外と見逃されがちなポイントで、精神論ではないですがこれができるかどうかで成果は天と地の差が出ます。どんなに高度なテクノロジーを使うようになっても本質は「人が人にメッセージを伝える」ことであり、戦略やノウハウやシステムはそれを実現するための手段に過ぎません。

パーソナライズドメールの実現方法

パーソナライズドメールを実現するにはデータの活用が欠かせません。
そのためには適切なCRMツールの導入によってシステム環境を整えるだけでなく、ツールを適切に活用することが必要になります。

1.顧客のデータを収集する

あらゆるデータを顧客軸で統合できるシステム環境が必要です。その顧客がどんなページを閲覧したのか、どんな商品をカートに入れたのか、どんな商品をどんなタイミングで注文してきたのか、どんなメッセージにどう反応したのか、などのあらゆるデータを顧客軸で統合する必要があります。これらのデータを利用して施策を実行します。

2.適切なターゲット設定をする

施策を配信するターゲットを設定します。例えば購入する可能性の高い顧客にレコメンドを配信したい場合であれば、カートへ商品を入れた人、多くの商品ページを閲覧していた人などです。

3.配信を自動化する

配信開始のルールを設定します。例えばターゲット条件に当てはまった場合、当日指定時刻に配信する、もしくはカート投入やページ来訪など特定のアクションをトリガーに、一定時間が経過した後に配信する、などです。
どんな原稿を流すかもあらかじめ設定しておけば、条件に当てはまったタイミングでメッセージが自動的に配信されます。こういった運用は手作業では現実的に無理ですが、CRMツールの導入によって自動化できます。

CRMがうまくいかないケースでは「ツールの活用」が大きな壁になるケースが多く見られます。その理由は多くの場合で担当者の「ノウハウ」もしくは「時間」が原因となっています。

CRMでは「ターゲット」「メッセージ」「タイミング」「チャネル」一連の設定をシナリオと呼び、顧客の心を掴むシナリオを設計できるかどうかがパーソナライズドメールを実現するうえで第一の壁になります。このシナリオ設計をうまくできたうえで、正しくツールに設定できるかが第二の壁になります。これらの壁をクリアできた時点でようやくCRMのスタートラインに立つことができるので、多くの企業ではそこからPDCAサイクルを走らせるフェーズには至れません。

以上のようにそれほど複雑ではない施策でも、最適な形で実行するには事前準備から施策稼動後のチューニング含め多くの労力がかかります。そしてつまずくポイントは多くの場合で同じですので、CRMプロジェクトを進める際はぜひ経験豊富なパートナーと取り組まれることをおすすめします。

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