「使いこなすまでに時間がかかる」という最大課題を解決
シティグループ、ベネッセグループにてマーケティング責任者を歴任後、2008年に独立約6000商品のプロモーション開発、大手企業100社超のコンサルティング経験を体系化し、「“紙1枚”にまとめる」メソッドをプログラム化、これまでの受講者は、のべ約4万人を超える。 主著の『最強のコピーライティングバイブル』(ダイヤモンド社)は、Amazonビジネス部門、楽天ブックス、紀伊国屋にて3冠を獲得するベストセラー。
D2Cで軽んじられる「既存客」対策
クライアントを支援するコンサルタントとして、私は「シンプル化」を重視しています。そのため「商品」と「顧客」を直接結ぶD2Cは、4つのステージで管理します。それは「新規獲得」「既存客活性」「既存客維持」「既存客離脱防止」です。このステージごとに5つの要素である「セグメント」「オファー」「クリエイティブ」「タイミング」「チャネル」を組み合わせていくと4×5で20通りになります。
当社が管理する「マーケティング20ボックス」では、顧客が「左側」から「右側」へ移動していきます。そこで、クライアントのマーケティング活動を診断すると、ほとんど「左側=新規客」に労力が費やされ、「右側=既存客」対策は後手に回りがちです。しかし、このことは、たとえるならば風呂の栓(右側=既存客)を締めず、蛇口をひねる(左側=新規客)ばかりで、桶に水がたまらない「ダダ漏れ」状態なことを意味します。
なぜなら、この「ダダ漏れ」は、「CPO>LTV(CPOの方が大きい)」の状態だからです。本来目指すべきは、「CPOつまり、右側(既存客)対策を盤石にした後に、左側(新規客)を対策する必要があります。
CRMツールで陥るワナは「複雑化」
私のコンサルフレームである先ほどの「マーケティング20ボックス」は、1枚におさまるよう「シンプル化」しています。というのは、マーケティングの実態は、その「シンプル化」から離れて、どんどん「複雑化」していくからです。
とりわけ、既存客対策に必要なCRMツールは、「100万通りのコミュニケーションが可能になります!」等、システムベンダーの売り文句が優先され、D2C企業にとって最重要な「シンプルに売上を管理する」ことから、大きく離れてしまいます。それほど本末転倒なことはありません。
たとえば、クライアントがCRMツールを実装し、使いこなすまでには、以下の4ステップが必要になります。
「知識修得」から「ツール設定」までの4ステップにたどりつくまで、勘のいい専任者でおおよそ早くて6ヶ月。通常は1年近く必要になります。競争の激しいD2C市場の中で、1年間も「既存客対策」がおざなりになることは、大きな事業損失というか、もはや事業の「死」をも意味します。
「使いこなすまでに時間がかかる」という最大課題を解決した「アクションリンク」
私が、かねてから重要視している「シンプル化」。長年、それをかなえるCRMツールに出会うことはありませんでした。
ある時、クライアントから情報収集を依頼され、「アクションリンク」のデモンストレーションを受けた時に、思わず膝を打ちました。
「「「これだよ、これ!」」」
クライアント側で最大課題となっていた「使いこなすまでに時間がかかる」という課題が見事に解決されていたからです。
その最大の武器は、7つの鉄板シナリオ®️で、私は独自に「鉄板セブン」と呼んでいます。
既存客に効果のある鉄板シナリオを7つにパターン集約し、操作側はその7つのボタンを選んで押すだけで、いいのです。
個人的には7つでも多いくらいで、次の3つだけでも十分です。
・鉄板シナリオ1:レコメンド配信
・鉄板シナリオ2:カゴ落ちフォロー
・鉄板シナリオ3:閲覧リターゲティング
この3つが使えるだけで、Amazonサイトとほぼ同じことが実現します。
数千人が携わるAmazonのCRMとほぼ同じ機能を小規模会社でも実装できることは、D2C業界を盛り上げる起爆剤になるのでは、と大きく期待しています。