ECのCRMでよく出る基本用語の解説

今回の記事ではECのCRMでよく出る基本用語について初心者でも分かりやすく解説します。

これらの用語は業界によって定義が異なることに加え、同じ目的で似たような意味を表す言葉もあり混乱しがちですが、
似たような用語でも違いは何か、といった部分に注意してみると定義が明確になり理解しやすいと思いますので参考にしていただければと思います。

また、重要なのはそれぞれの用語とその意味だけでなく、何を目的にその用語が出来たのか、それによって何を実現できるのかという部分です。
ECのCRMを成功させるためには、細かい用語にとらわれず、CRMを行う目的と、目的を実現するためにはどんな施策が必要なのか、
そのためにどういったシステムが必要なのか、という順番で考えることが重要です。
顧客の心理を理解し、それにあわせたメッセージ配信をすることが、リピート売上の向上やLTVの向上につながるということは忘れないようにしたいものです。

CRM(Customer Relationship Management)シーアールエム

CRMとは顧客関係管理と言われ、顧客との関係を良好なものにできるようデータをもとに管理する取り組みを指します。
BtoCの文脈ではデータを活用してリピーター売上を増やすための取り組みとして語られます。
リピーター売上を増やすとは、リピート率の向上や単価の向上、利用回数の向上によるLTVの向上までも含みます。

MA(Marketing Automation)マーケティングオートメーション

マーケティングの各プロセスにおけるアクションを、データによって自動化することを指します。
BtoCのEコマースにおいては、顧客データ、注文履歴、行動履歴などのデータを使ったメッセージ配信(メールやLINEなどのオンライン施策だけでなくDMやアウトバウンドコールなどオフライン施策)の自動化を指します。
BtoBの文脈ではリード獲得までの施策を効率化するための取り組みをMA、顧客化してからのリテンション施策をCRMという分け方で語られますが、
BtoCではCRMの中の施策実行部分(施策の自動化)がMAとして語られます。

CCCM(Cross-Channel Campaign Management)クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント

CCCMとは、顧客とのあらゆる接点をオンライン・オフラインを問わず連携し、データをもとにひとりひとりの顧客へ最適な方法でメッセージ配信を実現する手法を指します。
顧客との接点をチャネルといい、例えばメール、LINE、広告など顧客へメッセージを伝える手法を指します。
なおクロスチャネルとはあらゆるチャネルを「統合して」メッセージ配信することを意味しますので、単純に同じ情報を複数のチャネルで届けるマルチチャネルとは異なる意味合いとなります。
「統合して」とは顧客によって例えばメールを見ていない人にはLINEでメッセージを送る、といったように顧客ごとの接点や行動をふまえたメッセージ配信を行うことを意味します。
MAはBtoB向け、CCCMはBtoC向けの文脈で多く語られます。

DMP(Data Management Platform)データマネジメントプラットフォーム

インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや、自社サイトのデータを一元管理し、分析することで、最終的に広告配信などの
メッセージ配信の最適化を実現するためのプラットフォームを指します。
DMPは大きく2種類に分類され、1つは広告配信先のデータセラーとしての機能を果たすタイプの「オープンDMP」、
もう1つは企業が自社で蓄積したWebログや顧客DBなどの蓄積したデータを利用するタイプの「プライベートDMP」があります。

CDP(Customer Data Platform) カスタマーデータプラットフォーム

顧客一人ひとりの属性データや行動データを収集・蓄積・統合するためのデータプラットフォームをCDPといいます。
DMPとCDPの違いは?セグメント中心設計と個人プロファイル中心設計の違いで、目的が顧客管理に明確化されたシステムとなります。
キーが顧客個人であることが特徴で、Web訪問履歴を代表とするログデータに限らず、オフラインの購買情報や位置情報、
アスキングデータ、IoT対応の製品から得られるデータなども収集、統合します。

SFA(Sales Force Automation)営業支援システム

営業支援を目指したシステム。 企業の営業活動における情報全般をデータ化して蓄積し、分析することで
営業の効率化をしたりボトルネックを発見したりできる。
BtoBの領域ではCRMというとSFAの文脈で語られることがありますが、BtoCのCRMにおいてはSFAという用語は使われませんので注意が必要です。

BI(Business Intelligence)ビジネス・インテリジェンス

企業が日々蓄積されていく膨大なデータを分析して、その分析結果を経営意思決定に活用するためのシステムで、以下の3つの機能があります。
①データの収集・蓄積・統合
②データの集計・分析
③データの可視化・ビジュアル化

BIの分類としては基幹系・情報系・戦略系システムがあり、BtoCのEコマースの文脈では主に戦略系システムを前提として語られます。

DB(Data Base)データベース

コンピュータによる情報処理で蓄積・検索・更新などに便利なように有機的に整理された情報の集まり。
ある特定の条件に当てはまる「データ」を複数集めて、後で使いやすい形に整理した情報のかたまりのことを表します。
階層型データベース、ネットワーク型データベース、リレーショナル型データベースなどが存在します。

DWH(Data WareHouse) データウェアハウズ

DWHとは「Data WareHouse」の略で、「目的に応じて使えるように」膨大な量のデータを格納するシステムのこと。
データウェアハウスやデータマートは、基本的にデータを扱うスキルを持つ担当者があらかじめ用途を決め、整形した構造化データとBIなどによる定型ビューを提供します。
「目的に応じて使えるように」という部分が後述するデータレイクとの違いとなります。

データウェアハウスの定義 「4つの特性」
1.サブジェクト指向
データをサブジェクト(主題)ごとに分解、整理して格納します。目的別に格納しないのがポイントです。
2.統合すること
データを抽象化してサブジェクトごとに「論理的」に統合して格納します。
3.消さない・更新しない
データの更新履歴を含めデータの更新や消去はしないよう設計されています。
4.時系列を持つ
新しいデータが入ってきた後、古いデータを消さずに過去のデータとして蓄積していきます。

データマート (Data Mart)

データマート は、データウェアハウスの中から特定の目的に合わせた部分を取り出したもので、データベース全体のことではなく、データベースの一部を指します。
通常は基幹系など複数のシステムから、利用部門が利用目的に合った必要なデータを収集し、目的別に再構成して時系列に蓄積した統合データベースとなります。

データレイク(Data Lake)

構造化データや非構造化データを格納する場所であり、様々なデータソースから集められたデータを管理し、活用のための前処理を行える環境。
基幹業務アプリケーションからのリレーショナルデータに加えて、モバイルアプリケーション、IoT デバイス、ソーシャルメディアからの非リレーショナルデータも保存されます。
データレイクは、量、形式、実在する場所、管理者に関わらず、あらゆるデータを蓄積・管理し、ユーザーに応じた検索・分析をセルフサービス化します。
湖へ支流が流れ込むように、発生したままの形式のあらゆる構造化/非構造化データ(ネイティブデータ)をまるごと、基本的にはリアルタイムで取り込みます。
データウェアハウス等と異なり事前にデータ構造や取得元を設計しておく必要がなく、用途が決まっていないけれど使えそうなデータも取り込めます。

簡単にいってしまうとデータレイクはとりあえずあらゆる情報を1箇所に集めてしまい、そこから分析結果を得るという「帰納的」アプローチです。
対してデータウェアハウスは、先に目的が決まっており、そのためにデータを集めるという「演繹的」アプローチとなります。

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