メール配信、実は配信頻度が多くても解除率は上がらない
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メールマーケティングをしていると必ず一度はあがるのが、「配信頻度が多いと解除数が増えるのでは」「どの程度の配信頻度なら解除されないか」といった議論です。
結論から言いますと、配信頻度を増やしても解除率は増えません。そして売上は配信頻度が多い程増えます。配信頻度よりもずっと重要なのは、配信するコンテンツとターゲット選定です。
顧客の状況や心理にあわせた内容を送ることができれば解除はされず、売上も増やすことができます。
今回の記事では、とあるスポーツ用品の総合通販ECの事例をもとに配信頻度とメール解除率の問題について実際のデータとともにお話します。
配信頻度について感覚で決めている、どの程度の配信頻度がよいか迷っている、という方はぜひ参考にしてください。
メール配信頻度と解除率の関係
CRMツールの導入でいくつもの自動シナリオが走ることになり、その際に必ずといってよいほど話題にあがるのが「メールの配信頻度が増えて解除が増えるのではないか」という議論です。この問題に対し、データをもとに結論を出すために行ったのが、1週間あたりに受信したメールの平均通数ごとに顧客を分類し、解除率を出す分析です。
今回の例では1週間あたり最小で1通〜最大で10通まで受信する顧客がいました。
受信数ごとに受け取った人数と実際に解除した人数、解除率を集計すると以下のような結果となりました。
1週間あたりの受信数 人数 解除数 解除率
1通 28人 0人 0%
2通 211人 2人 0.94%
3通 45432人 12人 0.02%
4通 1376人 0人 0%
5通 1129人 0人 0%
6通 113人 0人 0%
7通 94人 0人 0%
8通 73人 0人 0%
9通 57人 0人 0%
10通 29人 0人 0%
※2021年12月1日〜2021年12月7日で一人あたりが受信したメール通数をもとに集計
当初は配信頻度が多いほど解除が増えるのではと予想していましたが、実際は解除している顧客は全くいませんでした。
これは今回事例としてあげている業種だけでなく、業種を問わず全て同じ傾向の結果となります。
またそれだけでなくメール配信頻度が5通以上の顧客と5通未満の顧客の購入率を比較すると、1週間以内に購入に至る確率が6倍も高いことが判明したのです。
メール受信数別の購入率
1通〜4通 3.1%
5通〜10通 18.3%
※1週間で受信したメール数とその1週間で購入した顧客の購入率
なぜ配信頻度と売上が比例したのか?
受信通数が多いのは、主にサイト内を回遊したくさんの商品を閲覧したりカート投入しているアクティブなユーザーです。
顧客の行動にあわせたメール配信をリアルタイムで効率的に行うことで、買いそうな顧客や購入を迷っている顧客への適切なフォローを増やし、購入につなげることができたため、購入につながりやすい顧客ほど配信が増え、実際に購入につながったという結果が出ました。
逆に購入につながらなそうな顧客へは最低限のメールしか配信されませんので、配信頻度が低くなっています。
また今回の調査で分かったのは、一斉配信のメールほど解除率も高いということです。
顧客の行動にあわせたメールはデータをもとにリアルタイムで自動化されており、自動配信のメールと比較すると一斉配信のメルマガは解除率が10倍となりました。
この結果は一斉配信メルマガの頻度を月1回にしても週1回にしても解除率は変わりませんでした。
店舗側の伝えたいことを軸にしたメッセージ配信ではどうしてもユーザーの行動軸で配信するメルマガよりも解除が増えてしまう結果となりました。
メールタイプ別の解除率
スポット配信メール(一斉配信メルマガ) 0.01%
トリガー配信メール(自動配信メール) 0.001%
解除率よりもレスポンスに注意を払うべき
顧客が望まない配信が増えると、顧客はメッセージを解除するのではなく無視するようになります。
具体的には開封率、クリック率などに影響してくるので、いつでも数字を見られるようにし数字の変化を見逃さないことが大事です。
またある調査によるとユーザーの受信するメールは年々少しずつ増加しており、自分に関係のないメッセージは無視するようになっています。
そのため短期的な数字だけでなく開封率やクリック率が長期でみてどのように変化しているかについても把握しておく必要があります。
ユーザーの受信しているメールはあなたのサイトからのメールだけではなく、受信箱には日々様々な情報が着信します。
その中で埋もれないための工夫が必要になり、その方法の一つがメッセージの質と量の両方を確保することです。
つまり、顧客にあわせた最適なメッセージを一定以上の頻度で送信する必要がある、ということです。
まずは頻度を確保しなくてはどんな良質なメッセージも忘れられてしまいます。
メルマガの一般的な配信回数と頻度を見直すタイミング
メール配信の頻度について、他社がどの程度送っているのか、また自社にとって最適なペースをどう見つけるべきか疑問に持つ方も多いでしょう。 ここでは、一般的な目安と頻度を見直す際の考え方について解説します。
一般的な配信頻度の目安と他社動向
参考ページ(cuenote.jpやpromote.list-finder.jp)の調査によると、BtoBやBtoCを問わず、メルマガの配信回数は週に1〜2回程度が平均的とされています。 一方で、ECサイトの上位企業では約3割が1日1通以上の高頻度で配信を行っているというデータもあります。 しかし、必ずしも他社の回数に合わせる必要はありません。 まずは自社のリソースで無理なく継続できる頻度を設定し、配信停止率の平均(一般的に0.1パーセント〜0.25パーセント程度)や読者の反応を見ながら調整していく計画が求められます。
配信頻度を変えるメリット・デメリットと注意点
配信頻度を上げるメリットは、単純に顧客との接触回数が増えることでサービス名の想起率が高まり、売上につながるチャンスが広がることです。 しかし、ターゲットに合わない情報を送りすぎると、ブランドイメージの低下や配信停止率の上昇といったデメリットが生じます。 頻度を下げる場合は、1通あたりのコンテンツの質を高めやすいメリットがありますが、顧客との関係性が希薄になるリスクがあります。 開封率やクリック数が低下してきたタイミングなどを指標にし、無闇に回数を変えるのではなく、検証と改善を繰り返すことが不可欠です。
配信頻度以外に成果を左右する重要なポイント
メールマーケティングの成果を最大化するためには、配信頻度だけでなく、配信のタイミングや送信ルールの遵守など、多角的な視点を持つことが不可欠です。 以下に注意点を紹介します。
ターゲットに合わせた曜日と時間の計画
配信頻度を適切に保つだけでなく、メールが読まれやすい曜日や時間を狙って配信することも重要です。 例えば、BtoB向けのメルマガであれば平日の通勤時間帯や昼休み、BtoC向けであれば週末や夜間のリラックスしている時間が開封されやすい傾向にあります。 読者のライフスタイルや属性に合わせて最適な曜日と時間を計画的に選ぶことで、同じ配信内容でもより高い開封率とレスポンスを引き出すことが可能になります。 過去のデータを分析し、自社の顧客層がいつメールを開きやすいかを把握したうえで、効果的なスケジュールを立てて運用しましょう。
ガイドライン準拠とワンクリック停止への対応
近年は、Gmail送信者ガイドラインをはじめとするメール配信ルールの厳格化が進んでいます。 特に重要な注意点として、ユーザーがメルマガの購読を簡単に解除できるよう、「ワンクリックでの登録解除」に対応することが求められています。 これを怠ると、迷惑メールとして判定されるリスクが高まり、結果的にメールの到達率が大幅に低下してしまいます。 法令やガイドラインを遵守し、読者にとって親切な設計にすることが長期的な成果をもたらします。
データを顧客軸で統合することで最適な配信が可能となる
ではどのようにすれば顧客にあわせた最適なメッセージ配信を実現できるのでしょうか。それには顧客理解がかかせません。
皆さんがデータを見る際、アクセス解析のデータや顧客属性のデータ、購買履歴やメールの配信履歴などのデータはバラバラになっていることが一般的だと思います。アクセス解析で分かるのは、どのページにどれくらい人が来たか、どれくらい買ったかであって、見ているのはページの状況です。これでは誰がどんな行動をしているのか、その顧客が過去にどんな行動をしていたかまでは分かりません。リアル店舗に例えると売り場だけをみて顧客を見ていないのと同じです。大事なのは顧客を見ること、その文脈や顧客心理を想像するです。そのために散在しているデータを顧客軸で統合することで、顧客を深く理解し、顧客一人ひとりにあわせたメッセージ配信が可能になります。
例えば、今顧客IDが何番のAさんがどの商品を閲覧している、過去に他にもどんな商品を閲覧していた、カートに投入した、この顧客は過去に何回購入していて最後の購入からどれくらい時間が経過した、今久々にサイトに訪問している、直前にどのメールを閲覧してどの部分をクリックした、など様々な状況が見えるため、顧客の状況にあわせた適切なメッセージ配信が可能になります。
無駄なこだわりは排除して生産性をあげよう!
メールマーケティングではまだまだ担当者の感覚で施策が行われていたり、データ分析をしてデータにもとづいた施策を行いたくても他の業務に追われてしまい時間がなく実現できない、または分析だけで終わってしまい施策に結びつけることができていない、など様々な問題が起きています。
今までこうしていたから今後も同じようにしよう、前にこれでうまくいったから同じようにしよう、といった考え方でいると変化に対応することができず、衰退につながってしまいます。変化の早い時代には、そういった根拠のないこだわりや思い込みを捨て、データをもとに正確な判断を迅速に行い成果をだせるように高速でPDCAを回して変化していくことが求められています。
データドリブンで判断し高速でPDCAを回せる環境が重要
データドリブンでPDCAを回す障壁を解決し、迅速なPDCAを推進して効率的かつ効果的に顧客のリピート売上を増やしていくためには、それを可能にするデータ環境が必要になります。具体的には「顧客軸でデータを統合する」「顧客のリピート状況や行動を可視化する」「顧客の行動に応じた施策を自動化する」「施策結果をリアルタイムで把握し次のアクションにつなげる」といった一連の業務をシームレスに行うことができる環境です。
EC通販特化型のCRMプラットフォームである「アクションリンク」はそれらをオールインワンで可能にしたツールです。
データをもとに顧客の状況を把握し、適切なメッセージ配信を行っていくことに課題をお持ちの方はぜひ今回を機に、さらなる売上げアップを実現するためのリピーター対策を推進できるようシステム環境の見直しを考えてみてはいかがでしょうか。