単品リピート通販が取り組むべきCRM施策とは?
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単品リピート通販とは
「単品リピート通販」とは主に「1つの商品を定期購入で繰り返し購入してもらうことを訴求する」タイプの通販です。Eコマース事業立ち上げ当初は商品点数も少ないため基本的には単品リピート通販からスタートされるEC事業者が多いのが現状です。業種では主に化粧品、健康食品、定期的に消費する消耗品などに多い形態です。単品リピート商品を複数商品展開する通販もこれに該当します。
「定期購入」とは顧客から通販事業者へ毎月同額を定期的に支払い、定期的に商品が届けられる購入形態です。
単品リピート通販のビジネスモデル
通販のビジネスモデルは主に新規顧客の集客とCRM(リピーターの維持・育成)で成り立っています。
単品リピート通販も同様ですが、定額のお試し商品で初回購入を促し、定期購入に引き上げる(2ステップモデル)、もしくは自動的に定期購入をさせる(初回から割引オファーを付けた定期購入を訴求するモデル)、といった形で展開されます。
定期購入は通常の購入と異なり、一度ECサイトで購入した後は購入する度に都度サイトへアクセスし決済を行う必要がないため、一般的には高いリピート率になり、毎月の固定収入が予測しやすく、収益が安定しやすいビジネスモデルです。
単品リピート通販のCRMが重要な理由
昨今のEC市場の成長に加え単品リピート通販のビジネスモデルは収益が安定しやすく参入も容易です。結果として競合企業の増加によりEコマース事業者は常に厳しい競争に曝されています。
そのため新規顧客獲得のためのCPA(新規顧客一人あたりの獲得コスト)が高騰する傾向にあり、費用対効果をあわせるにはLTV(顧客生涯価値)を高めることが必須になります。例えばプロモーションを行う場合に、1万円の商品で仮に新規顧客のCPA(獲得コスト)が3万円かかった場合、単純に考えても3回以上リピート購入してもらわないと新規顧客コストを回収できないことになります。
そこで商品や顧客体験の良さだけで戦うのではなく、顧客を維持・育成するために積極的にコミュニケーションを行いLTVを高めるためのCRMが必要になっています。特に単品リピート通販の主戦場である化粧品・健康食品についてはプラシーボ効果や集団心理、権威性などもリピート率に影響するため購入後のコミュニケーションの有無で顧客LTVが大きく変わります。
単品リピート通販のCRMで見るべきKPI
総合通販も単品リピート通販も、最終的なゴールは売上規模を拡大し事業を成長させることです。そのためにはLTVが高い顧客を多く増やす、ということがゴール指標になります。ですので、下記指標については最低限チェックする必要があります。
- リピート売上=リピート顧客UU×LTV
- LTV=単価×平均利用回数
- リピート率(初回購入→リピート購入)
その他、主力商品の定期契約者数(新規/既存/退会/純増数)、継続率の時系列推移、上記の流入元別KPI、回数別の退会理由などが主な指標となります。
単品リピート通販のCRM施策
単品リピート通販のCRMとして2ステップモデルと自動定期引き上げモデルに分けて解説します。
2ステップモデルのCRM施策
初回お試し商品から定期購入へと促す2ステップモデルの単品リピート通販で最も重要な施策が「初回ステップシナリオ」です。なぜなら初回お試し商品購入から定期に引き上げるタイミングが最もロスが多く機会損失となっているためです。そのため本商品定期への引き上げの際にプレゼント特典や割引特典を付すなど顧客にとって有益な情報を伝えることで本商品定期への転換を促すケースが多く見られます。
WEB経由で獲得した顧客は主にメールでフォローする形が最も効果的かつ効率的です。またその中である程度、定期への引き上げ見込みが高いと判断されたターゲットについてはメールだけでなく電話(アウトバウンドコール)やDM(郵送ダイレクトメール)でフォローし定期に引き上げるケースも多く見られます。
スマートフォンの普及により顧客は時間、場所を問わず自ら最適な情報を取得することが可能です。定期購入に引き上げる際にどのタイミングで、どのようにアプローチすることが最も効果的なのか?これらのシナリオは商品やビジネスモデルごと、ECサイトごとに独自のストーリーを考える必要があるため、定型化するのが難しくシナリオプランニングはEコマース担当者が頭を使って考え、実装する必要があります。
そのため2ステップモデルの単品リピート通販のCRMで重要な事は、自社がやらなければならない数あるCRM施策の中で自動化できるCRM施策は徹底的に自動化し効率を追求するとともに、人が頭を使って考えなければならない自社独自のシナリオプランニングなどの業務を人が実施できる時間を確保することです。
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自動定期引き上げモデルのCRM施策
自動定期引き上げモデル(初回から割引オファーを付けた定期購入を訴求するモデル)での単品リピート通販は一度購入すると自動的に定期購入に引きあがるためCRMの施策が必要ないと考えられますが、既存顧客へのアップセル、クロスセルを行う事でLTVの向上を図ることも可能です。また退会や一時的に定期を停止した顧客への新商品情報の案内、売れ筋商品の案内等を行う事での休眠顧客掘り起しも可能となります。
成功のためにはCRM施策の自動化が重要
いずれにしても単品リピート通販ではLTV向上にCRM施策は重要です。ステップメールだけではなく以下のようなCRM施策の自動化による細かいフォローシナリオを積み重ねることが非常に有効です。
- カゴ落ちフォローメール(カート投入後に離脱したリピーターを自動フォロー)
- 商品閲覧後リタゲメール(商品詳細を閲覧後に離脱したリピーターを自動フォロー)
- ポイント有効期限メール(ポイントの有効期限アナウンス)
- クーポン有効期限メール(クーポンの有効期限アナウンス)
- レコメンドメール(複数商品展開しクロスセルを狙える場合)
- バースデーメール(生年月日を取得している場合)
- 休眠掘り起こしメール(最終購入から一定期間経過している顧客へのクーポン配信)
また、ある程度メールで成功シナリオを構築できた後は、メールだけでなく、LINEやDMなど別のチャネルでのアプローチも構築していくことでさらにリピートを促すことができます。
ここで気をつけたいのは、同時にあれもこれも進めると高い確率で収拾がつかなくなりますので、まずは効果の高いメールで成功パターンを確立し、LINEやDMや電話などのアプローチへ広げていくという形で、複数フェーズに分けて計画的に進めることをおすすめします。シナリオ設計の部分も同様に細かな枝葉のシナリオを掘り下げるのではなく、まずは売り上げに直結するインパクトのあるシナリオを設計することが大切です。
まとめ
単品リピート通販のCRMというとステップメールばかりがフォーカスされますが、実はその他、購入寸前で離脱している見込み客を刈り取ることがLTV向上にとって即効性とインパクトの両方を期待できるため非常に重要です。
こういった施策を自動化することで、売上を積み増すと同時に効果的なステップメールのプランニングにあてる時間を確保していくことが成功の鍵となります。