amazonやzozoも注目するCRM 〜自社ECのLTVを改善する「CRM成功の鉄板シナリオ」とは?〜
Eコマースで継続的に事業拡大していくために、CRMによるLTV※とリピート率改善の取り組みは欠かせません。ところが、2019年アドブレイブ社によるCRM導入企業100社へのモニタリング調査によると、実際にCRMツールを導入し活用できている企業は1割未満という調査結果が出ています。
いまだに、日本国内のECでは中小企業だけでなく大手企業においても、一斉配信メルマガを中心としたCRMが行われており、ECで最先端といわれるamazonやzozoのような顧客へのOne to One コミュニケーションが実現できていないのが実情です。
今回の記事では、その根本原因は何なのか?そして「自社ECのCRM問題」を解決するにはどうしたらいいのか?について、EC最先端のamazonやzozoも注目する「最新CRM事例」と、ジャンルを問わず総合通販と単品リピート通販の両方で、誰でも実現可能で確実にLTV増につながる「CRM鉄板シナリオ」をお伝えします。
※LTVとは「Life Time Value」の略で「顧客生涯価値」と訳される。顧客が生涯にわたり対象ECサイトで利用する合計金額を指す。
- Chapter
- 9割のECがCRMツールを導入しても活用できていない現状
- そもそも顧客にとって理想的なCRMとは何か?
- なぜCRMがうまくいかないのか?「自社ECのCRM問題」の本質とは?
- 1.ノウハウの問題
- 2.工数(時間)の問題
- 3.費用の問題
- CRMの自動化の最新事例とは?
- ECのLTV向上を実現する2種類のアプローチと4つのターゲット
- あらゆる業種のECで確実にLTVアップにつながる「鉄板シナリオ」とは?
- 1.カゴ落ちフォロー施策
- 2.商品ページ閲覧後離脱フォロー
- 3.ポイント明細通知
- 4.ポイント有効期限通知
- 5.バースデー通知(生年月日を取得している場合)
- 6.休眠掘り起こしメッセージ
- 7.再入荷リマインド
- 8.レコメンド通知
- CRMによってEC通販のLTVを増やすために重要なこと
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EコマースのCRMがうまくいかない理由として、事業責任者や現場の担当者からは具体的にどんな声があがっているのでしょうか?
2019年にアドブレイブ社が実施したCRMツール導入企業100社へのアンケート調査によると、主な原因として下記の3つがあげられています。
- 「設定が難しく専門知識を要する」
- 「忙しくて作業時間を確保できない」
- 「そもそも何をしたらよいか分からない」

※2019年アドブレイブ社調べ CRM実施状況アンケート100社
つまり大半の企業がCRM施策をスタートする段階で既につまづいてしまい、結果として高額なCRMツールを導入したものの、全ての会員に同じメール※を一斉配信する全配信や購入後のステップメールなど、2000年前後のEC黎明期に流行ったような単純な施策に終始してしまい、CRMツールをうまく活用できず、ツールの費用対効果が全くあっていないケースが多く見られます。
※厳密にはCRMのメッセージ配信はメールだけでなくLINEやSNSなどのオンライン施策だけでなくDMやアウトバウンドコールなどのオフライン施策など様々なチャネルがありますが、ここでは代表的なメールを例にします。
普段から多くの情報に触れるユーザーの立場からすれば、
- 「自分に興味がない商品を紹介するメールが来る」
- 「もう購入している商品のメールが来る」
- 「購入したばかりでまだ商品が届いていないのに宣伝メールが来る」
など、顧客エンゲージメントを損なうメッセージ配信があたりまえに行われています。
※顧客エンゲージメント(Customer Engagement)とは、商品やサービスを提供する企業と顧客との間の信頼関係を指します。信頼関係のできている顧客は、自らリピート購入しLTVが高くなります。
ところが配信を行っている企業の立場からすると、
- 「売上目標は落とせない、売上を最大化するには全配信が最も効果的な施策だ」
- 「細かいセグメント配信をしても、手間の割にターゲット母数が絞られ売上が小さくなる」
- 「本来はもっと配信したいが、仕方なくメールの配信頻度を落としている」
ということで顧客エンゲージメントが下がるとは分かりつつも、一時的な売上を作るために仕方なく全配信の乱発を止められずにいるのです。
ECでは業種にもよりますが全配信メールの開封率はだいたい5%〜15%ぐらいのケースが多いので、残りの9割近い顧客には見られもしないメールをせっせと配信し続けているのです。これでは誰もハッピーになれません。
ECを立ち上げたばかりでCRMノウハウがない企業ならまだしも、中小企業〜大手企業において、なぜいまだに自社サイトのCRM問題を解決し理想的なCRMを実現できないのでしょうか?
そもそも顧客にとって理想的なCRMとは何か?
CRMがうまくいかいない原因の前に、そもそもECでのあるべきCRMの姿とは何でしょうか?
それは「4R」といって、「誰に」「何を」「いつ」「どうやって」伝えるか、が最適化された状態です。
つまり、必要な人に必要なメッセージを必要なとき送る、というとてもシンプルなことです。
| 誰に | 最適なターゲット Right target |
| 何を | 最適なメッセージ Right message |
| いつ | 最適なタイミング Right timing |
| どうやって | 最適なチャネル Right chanel |
この4Rの実現によって、顧客ひとりひとりの状態や行動にあわせたメッセージを伝え、
顧客エンゲージメントの向上と、その先にある顧客との長期的な関係構築、LTVの向上を実現できます。
なぜCRMがうまくいかないのか?「自社ECのCRM問題」の本質とは?
私はEC事業コンサルタントの立場として過去に様々なECの現場を見てきただけでなく、実際にCRMツールの選定・導入から運用体制の構築まで携わってきましたが、ECにおけるCRMの推進には大きく分けて「3つの問題」が存在します。
CRMツールの導入に失敗する企業はこの「3つの問題」を知らずにシステムを導入してしまい失敗します。
1.ノウハウの問題
CRMツールは魔法の杖ではありません。ツールはただの箱でありそれをどう使うかはEC事業者次第なので、CRMのノウハウ(課題を見つけ、仮設を立てて施策をプランニングし、それをシステムに実装したうえで、結果をみて改善していくという一連のPDCAを推進するノウハウ)が無ければ、ツールを導入しても費用対効果にみあう活用をすることはできません。
コンサルタントとしてEC事業を見ていると、この失敗パターンが最も多い印象です。
2.工数(時間)の問題
CRMのノウハウがあって、実現できるシステム環境があっても、実行するための人員も時間も無い、では絵に描いた餅です。
できるつもりで高機能なCRMツールを導入したものの、結局時間が無くて活用できていない、というケースも多いです。
3.費用の問題
ノウハウも時間も無い場合は、費用をかけて外部のコンサルタントや運用代行業者の力を借りなくてはいけません。しかし規模の小さなECではその費用をかける事が難しいケースが多いです。

CRMの自動化の最新事例とは?
ノウハウも時間も予算もないEC事業者でも、理想的なCRMを実現できる方法はあるのでしょうか?
そこで注目されているのが、アクションリンクの提唱するCRM自動化です。
それは、様々なデータソースから連携した「顧客データ」「購買データ」「閲覧データ」「行動データ」などを使い、顧客にあわせたメッセージを自動的にリアルタイムで配信する取り組みです。
成功のポイントは、顧客の属性だけではなく「顧客の行動」を見るという点です。
行動とは購買行動だけではなく、いつどこから来たか、いつどんなページをどれだけ閲覧した、どんなメールを開封しクリックしているのかなど、取得が可能な限りあらゆる行動データです。
こういった顧客の行動データを活用することにより、その顧客がいつ何を買うのかをAIによって、高い精度で予測することができます。

これらはamazonやzozoなどの大規模なECサイトでは既に実現され、非常に高い成果を上げている取り組みですが、自社ECサイトではいまだにほとんど実現できていません。
弊社のアクションリンクによって既に実現できている自社ECサイトでは、メール経由の売上前年比が200%以上に伸びるケースも珍しくないほど、非常に効果的なリピート施策となります。

ECのLTV向上を実現する2種類のアプローチと4つのターゲット
ECのLTV向上のために重要な2種類のアプローチ方法があります。
1つ目は「CV促進」です。文字通り購入するという行動を起こしてもらうことが目的で購入件数や売上を指標として評価します。
そして2つ目が「ロイヤルティ向上」です。ロイヤルティを向上させることを目的とし、主に自社ブランドに対する顧客の「信頼」や「愛着」など印象をよくするためのメッセージです。成果は定期的なアンケートなどによって計測します。
目的を絞ったメッセージ配信を行うことで、より顧客の心理に深くメッセージが届き、顧客の行動を促すことができます。

LTV向上を目指すためにアプローチすべきターゲットとしては一般的に下記4種類の重要度が高いと言われています。全てのターゲットに対し複数の仮説をたてたうえでシナリオを配信するのがベストですが、現実的にリソースは限られているため優先度の高いターゲットから施策を打っていくことが重要です。
- 購入直前に離脱した顧客をフォローする(離脱防止)
- 買い続けている顧客にさらに買ってもらう(クロスセル・アップセル)
- 最近買っていない顧客をフォローする(休眠掘り起こし)
- まだ買っていない顧客をフォローする(ウェルカム施策)

この中で最も効果的に自動化しやすいのが①の離脱顧客のフォローシナリオです。
特に商品詳細ページ閲覧後の離脱やカート投入後の離脱は購入直前までいって離脱しているため、その後のメッセージ配信で高い確率で購入につなげることができます。こういった離脱フォロー施策を含め、あらゆる業種のECで売上アップにつながるCRM施策をアクションリンクでは「鉄板シナリオ」と呼んでいます。
あらゆる業種のECで確実にLTVアップにつながる「鉄板シナリオ」とは?
EC通販専用のCRMツール「アクションリンク」ではBtoCだけでなくBtoBも、総合通販から単品リピート通販まで、あらゆる商材を取り扱うECサイトで共通して成果を出しているCRM施策を「鉄板シナリオ」と呼び、常に最適な状態へアップデートし続けたうえで、ツール導入後すぐにスタートできる状態にしています。ここではそのいくつかをご紹介致します。
1.カゴ落ちフォロー施策
ECサイトでカゴに商品を入れたものの、購入せずに離脱してしまった顧客に対し自動メールを配信して購入を促進します。
2.商品ページ閲覧後離脱フォロー
ECサイトで商品を閲覧したものの、カゴに入れることなくページを離脱してしまった顧客に対し自動メールを配信して購入を促進します。
3.ポイント明細通知
顧客が保有しているポイント数と有効期限を定期的に自動メールで案内する施策です。有効期限が近づいている顧客にはポイント利用を促すとともに、その顧客にあわせたおすすめ商品を案内します。ポイントを保有していない顧客には配信しないようにします。
4.ポイント有効期限通知
ポイント有効期限が近づいている顧客にポイント利用を促す自動メールを配信する休眠復活施策です。その際に保有ポイント情報と有効期限とあわせて、その顧客にあわせたおすすめ商品を案内します。
5.バースデー通知(生年月日を取得している場合)
誕生日当日の顧客に対し、クーポン等のインセンティブとおすすめ商品をコンテンツとして挿入した自動メールを配信する施策です。CV獲得につながるだけでなく、誕生日当日に配信することで顧客ロイヤルティを高めることにもつながる施策です。
6.休眠掘り起こしメッセージ
最後の購入からしばらく時間のあいてしまった顧客に対し、クーポンなどのインセンティブとともに配信して再購入を促すメールです。配信タイミングは業種にもよりますが最終購入から半年〜1年程度で休眠と判断して配信するケースが多いです。
7.再入荷リマインド
在庫0だったものが再入荷で販売を再開した場合に、過去にその閲覧したものの購入しなかった顧客やお気に入り登録、もしくは再入荷通知を申し込んでいる顧客に対し自動メールを配信する施策です。高い確率で購入につながります。
8.レコメンド通知
顧客ごとにレコメンド商品(おすすめ商品)を自動配信するメールです。週1回もしくは月1回など定期的に配信する、もしくはサイト来訪をトリガーに一定期間経過後に自動配信する施策です。レコメンド商品の生成には顧客ごとの行動履歴(ページ閲覧、クリック、購入など)を見たうえでショッピングに専用設計されたAIが予測して生成します。
こういった鉄板施策は、過去数千回のPDCAをもとに効果的な実施方法(ターゲット/タイミング/コンテンツ/チャネル)が出来上がっているため、自社で試行錯誤しながら何年もかけて構築するよりも、初めから出来上がっている勝ちパターンを実装してすぐに走らせた方が、格段に労力を削減することができるうえに、最短で成果を出すことができます。また、CRMツールを実装したけれども施策を実行できないという失敗を防ぐことができます。
※こちらでご紹介している鉄板施策は2026年7月時点のものです。
CRMによってEC通販のLTVを増やすために重要なこと
LTV向上につながる顧客メッセージは「量」と「質」の両方が重要です。いくらよいメッセージでも顧客との接触頻度が低くては伝わりません。また頻度ばかり高いコミュニケーションをとっても顧客の心を変えることはできません。
この「量」と「質」の両方を現実的に費用対効果の合う形で追求するためには、自動化できることは徹底的に自動化し、人は新しいアクションを考え実行することに時間を使う必要があります。
また基盤となるCRMツールを選ぶ際は機能面だけではなく、本当に自社で活用できるのか、誰がどんな施策をどう実装し、どれだけの成果を出せるか、という観点でも考えてみることをおすすめします。
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よくあるご質問
- CRMツールを導入してもうまく活用できない理由は何ですか?
- CRMツールをうまく活用できない理由として、以下の要点が挙げられます。
- 設定が難しく専門知識を要するため
- 忙しさによる作業時間の確保の難しさ
- 施策に対する具体的なアイデアや方向性が不明確であること
- 顧客エンゲージメントを損なうメッセージ配信とはどのようなものですか?
- 顧客エンゲージメントを損なうメッセージ配信には以下のような例があります。
- 興味のない商品を紹介するメールの送信
- 既に購入した商品のメールを送信すること
- まだ商品が届いていないのに宣伝メールを送信すること
- CRMの自動化とはどのような取り組みですか?
- CRMの自動化とは、顧客データや購買データ、閲覧データ、行動データなどの情報を活用し、顧客にあわせたメッセージを自動的にリアルタイムで配信する取り組みです。顧客の属性だけでなく、行動データを見ることにより、顧客の行動から予測を行い、最適なメッセージを送ることが可能となります。
- ECのLTV向上における「CV促進」と「ロイヤルティ向上」とは何ですか?
- ECのLTV向上における「CV促進」とは、顧客が購入するという行動を促すことを目的とした施策です。一方、「ロイヤルティ向上」とは、顧客の信頼や愛着を高めることを目的とした施策です。CV促進は購入件数や売上を評価の指標とし、ロイヤルティ向上は顧客満足度やリピート率などを計測します。
- LTV向上のためにアプローチすべきターゲットはどのように分類されますか?
- LTV向上のためにアプローチすべきターゲットは以下の4種類に分類されます。
- 購入直前に離脱した顧客をフォローする(離脱防止)
- 買い続けている顧客にさらに買ってもらう(クロスセル・アップセル)
- 最近買っていない顧客をフォローする(休眠掘り起こし)
- まだ買っていない顧客をフォローする(ウェルカム施策)
- アクションリンクの「鉄板シナリオ」とは具体的にどのような施策ですか?
- アクションリンクの「鉄板シナリオ」には以下のような施策が含まれています。
- カゴ落ちフォロー施策:カゴに商品を入れたものの購入せずに離脱した顧客に対し自動メールを配信
- 商品ページ閲覧後離脱フォロー:商品ページを閲覧したもののカゴに入れずに離脱した顧客に対し自動メールを配信
- ポイント明細通知:顧客の保有ポイント数と有効期限を定期的に自動メールで案内
- ポイント有効期限通知:ポイント有効期限が近づいている顧客に対し自動メールでポイント利用を促す
- バースデー通知:顧客の誕生日当日にクーポンやおすすめ商品を含んだ自動メールを配信
- 休眠掘り起こしメッセージ:最後の購入から一定期間が経過した顧客に対し再購入を促すメールを配信
- 再入荷リマインド:在庫が再入荷した商品に対し、過去に閲覧した顧客やお気に入り登録者に自動メールを配信
- レコメンド通知:顧客ごとに自動配信されるおすすめ商品メールを定期的に配信
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中村 隆嗣