顧客LTVを向上させるための戦略と実践方法

ECビジネスを運営するうえで「売上の安定化」や「利益率の向上」は永遠のテーマです。
その中核にあるのがLTV(顧客生涯価値)という考え方。LTVは、単なるマーケティング用語ではなく、経営判断に直結する重要指標です。

本記事では、LTVの定義と重要性から始まり、計算方法、施策立案、ツールを使った実践まで、現場で使える知識として解説していきます。

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顧客LTVとは?なぜ重視されるのか

LTV(Life Time Value)は、「1人の顧客が生涯を通じて自社にもたらす利益の合計」です。例えば、1回5,000円の商品を年4回購入し、それが3年間続くならLTVは60,000円。広告に1万円かけても十分回収できる、という計算になります。

なぜこのLTVが重要かというと、次のような理由があります:

– 広告費の高騰で新規獲得単価が上昇している
– 購買単価や頻度の向上が見込める既存顧客のほうが利益率が高い
– 安定的な収益モデルを作るには「リピート率」が鍵となる

特にD2Cや単品リピート通販型のECでは、LTVが事業継続の生命線。LTVを把握せずに広告出稿するのは、羅針盤なしで航海するようなものです。

さらに注目すべきは、業界ごとに平均LTVは大きく異なるという点です。

– 化粧品・健康食品などの定期購入モデル:LTV平均4〜8万円以上
– アパレル:1〜2万円台と低めだが、ロイヤル顧客の割合が鍵
– 家具・家電など高単価商材:単発のLTVが高いが再購買は低頻度

自社のビジネスモデルに合った「LTVの型」を理解しておくことも重要です。

自社LTVの正しい計算方法

LTVを正しく把握するには、以下の3要素が必要です。

– 平均購買単価
– 平均購買頻度(年間)
– 顧客の平均継続期間(年)

LTV = 単価 × 頻度 × 継続年数

例えば、化粧品ECなら:

– 平均単価:6,000円
– 年間購入回数:3回
– 継続期間:2年

→ LTV = 6,000 × 3 × 2 = 36,000円

さらに粗利率をかけた「LTV(粗利ベース)」も重要です。

例: 粗利率70% → 36,000円 × 0.7 = 25,200円

ここまで可視化することで、「広告にいくらまで使えるのか」や「1人の顧客が黒字になるまでの期間」が明確になります。

より高度な企業では、LTVをセグメントごとに分けて分析しています。

– 初回割引を使った顧客 vs 通常価格で購入した顧客
– SNS広告経由 vs オーガニック流入
– 都道府県やデバイス別などの比較

こうした深堀りが、マーケティング戦略の精度を格段に高めてくれます。

LTVを向上させるための3つのアプローチ

LTVを高めるには「単価」「頻度」「継続期間」をそれぞれ伸ばすことが基本です。

1. 購買単価を高める:アップセルとセット販売

例:
– シャンプー単品 → シャンプー+トリートメントセット(10%OFF)
– カート内に「あと1,000円で送料無料」などのインセンティブ

こうした工夫で単価は簡単に1.2〜1.5倍程度に上がります。

2. 購買頻度を高める:ステップメールと再購入タイミング施策

例:健康食品ECでの施策
– 購入3日後:摂取タイミングや効果の紹介メール
– 20日後:なくなるタイミングに再購入を促すクーポン

さらに「定期便オプション」や「次回同時購入キャンペーン」なども有効です。

3. 継続期間を延ばす:ロイヤル化・離脱防止策

顧客が継続する理由は、価格よりも“体験価値”にあります。

– ブランドへの共感(開発ストーリー、理念)
– サポート体験(問い合わせレスポンス、丁寧さ)
– 購入後の感動(パッケージ、同封メッセージ)

これらの積み重ねがロイヤル化を生み出し、LTVを長く支えます。

CRM/MAツールを活用したLTV最大化の実践例

CRMやMAツールは、LTV施策の“土台”になります。顧客の購買履歴・行動データを元にした自動施策や、セグメント別配信ができるからです。

実践例①:化粧品ECのステップメール

– 初回購入翌日に「お礼メール+使い方動画」
– 3日後に「効果を感じ始めたら?」と後押しメール
– 10日後に「2本目10%OFF」+レビュー依頼

これにより2回目購入率が18% → 34%に向上した事例があります。

実践例②:アパレルD2Cの会員ステージ制度

– 購入金額に応じたステージを設定(S / G / Pなど)
– ゴールド以上で送料無料、誕生日特典
– ステージ別にクーポンや限定商品を配信

平均LTVが1.4倍に伸びたとの結果も。

実践例③:CRM導入による施策自動化

ある日用品ECでは、手動で送っていたフォローメールをCRMで完全自動化。結果、運用工数は月30時間削減され、再購入率も16% → 27%に上昇。

まとめ:LTV向上で持続可能なEC運営を

LTVは「売上の質」と「経営の健全性」を測るための最重要指標です。広告だけに頼る成長はいつか頭打ちになりますが、LTVの向上によって“利益を残せる”運営に変わっていきます。

最後に、LTV改善の第一歩は「現状のLTVを計算し、課題を特定すること」。そのうえで、

– 今、どの数値を改善するべきか?(単価/頻度/継続)
– そのための施策をどう設計するか?
– 仕組み化にCRM/MAツールをどう活用するか?

これらを段階的に整理していきましょう。LTVは、一気に劇的に上がるものではありません。地道な積み上げの中で、やがて事業全体の安定と成長を支えてくれるものになります。

まずは、1つのセグメントに1本のステップメールを。そこから改善のサイクルを回し始めてください。

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執筆者情報

中村 隆嗣 中村 隆嗣

株式会社ファブリカコミュニケーションズ アクションリンクチーム 部長

2003年に北国からの贈り物へ入社。自社サイトの立ち上げから参画し月商3億円を超える成長まで導く。楽天/Yahoo!/Amazon/ぐるなびなど全店のマーケティング戦略責任者として各モールにおいて数々の賞を受賞。 2014年株式会社メディックスに入社し、年商2500億規模の大手製薬会社や外資系アパレルブランドなど、メーカー直販ECの事業コンサルティングを手がける。 コンサルティング先で多く見られたCRMの課題を解決すべく、2018年アクションリンクを立ち上げ、2023年ファブリカコミュニケーションズにジョイン。現在に至る。

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