【Vol.1】広告依存から抜け出すECの新常識:初回購入〜F2転換を高めるCRMの具体施策と成功ポイント

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ECの広告費は年々高騰し、同じ予算を投下しても新規顧客の獲得効率は確実に下がっています。食品やアパレルなど、定期購入ではない一般的なECの場合、この影響はさらに大きく、初回購入で終わってしまう「ワンタイム客」の増加が収益を圧迫しています。
今、多くのEC担当者が抱える課題は「新規が獲れない」ことではなく、「せっかく獲得した初回顧客がF2(2回目購入)につながらない」点にあります。広告依存の限界が見える今、ECが持続的に成長するためには、初回購入者を適切に“育て”、再訪と再購入を自然に生み出すCRM戦略が不可欠です。

本記事では、広告依存に苦しむ一般的なECが、初回購入〜F2転換を高めるために押さえるべき具体施策を、データ・心理・シナリオの観点から体系的に解説します。

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広告依存から抜け出せないECが抱える「構造的な課題」とは何か

一般的なECほど広告依存になりやすい理由

EC事業者の多くが抱える大きな悩みのひとつが、「広告依存から抜け出せない」という構造的な課題です。特に食品・アパレル・雑貨など、一般的な総合通販では顧客の購入頻度が高くなく、定期購入ビジネスのように継続課金で収益が安定するわけではありません。

そのため、多くの事業者が新規顧客を獲得し続けることで売上を維持しようとします。しかし近年、広告費の上昇、競合の増加、ターゲット層の広告疲れが重なり、従来の手法では同じ費用で同じ成果が出なくなっています。

広告費高騰が利益を圧迫するメカニズム

広告依存の問題が深刻化している理由の一つは、広告費の上昇スピードがECの成長スピードより速くなっている点です。例えば一年前まで獲得単価(CPA)が2,000円だったキーワードが、今では3,500円以上に跳ね上がっているケースも珍しくありません。

一方でリピートまでつながらない場合、初回購入の粗利だけでは獲得費を回収することが難しく、結果として「新規を増やすほど赤字が増える」状態に陥ってしまいます。このジレンマが、現在多くのEC担当者が直面している本質的な課題なのです。

初回購入者を育成できていないという問題

また、広告依存に陥る理由として、「初回購入者の育成が設計されていない」ことも挙げられます。広告をかければ一定数の新規顧客は獲得できますが、その後の体験設計が不十分だと、購入した顧客は次の購入理由を見出せないまま離脱してしまいます。特に食品やアパレルのような一般的なECでは、顧客単価や購入頻度が比較的低い傾向にあり、F2転換(2回目購入)をいかに高めるかが事業の成長を左右します。

初回購入から2回目購入までの期間は、顧客の心理が大きく変化する重要なフェーズであり、この期間に適切なコミュニケーションが行われないまま放置されると、顧客の関心は急速に薄れてしまいます。

広告とCRMが分断された組織構造のリスク

さらに、広告施策とCRM施策が分断されている組織設計にも問題があります。多くのEC事業では、広告部門とCRM部門が別々に運用され、それぞれのKPIが一致していません。広告担当者は新規獲得数を追い、CRM担当者は既存顧客のLTVを追う。この分断が「初回購入者の育成」という最重要領域を宙に浮かせてしまうのです。

本来であれば、広告施策で獲得した顧客をスムーズにCRMシナリオへ接続し、商品理解・信頼醸成・再購入の必然性づくりまで一貫してデザインする必要があります。

広告×CRMを統合した成長モデルへ

広告依存から抜け出すためには、単に広告費を削減するだけでは不十分です。必要なのは、「新規顧客に再度購入してもらうための体験」を広告投資と同じレベルで設計することです。

例えば、初回購入者が次に必要とする情報、商品使用後の変化をイメージさせるコミュニケーション、利用シーンの提案、在庫・価格・新商品のタイムリーな通知など、購入理由を自然に積み上げる情報設計が欠かせません。

このように、広告依存から脱却するためには「広告 × CRM」の統合的な視点が求められます。獲得した顧客を育てるための土台を整えることで、初回購入からF2への転換が滑らかになり、広告投資の回収率が改善します。結果として広告費を減らしながら売上を維持・成長させるという、本来あるべきEC運営の姿に近づいていくのです。

F2転換率はなぜEC成長のカギになるのか:指標の読み解き方と平均値

F2転換率とは何か

多くのEC担当者が「新規獲得数」や「売上高」は見ていても、「F2転換率」を明確な指標として管理しているケースは意外と多くありません。F2転換率とは、ある期間に初回購入した顧客のうち、一定期間内に2回目の購入に至った割合を指します。

たとえば、1月に1,000人の新規購入者がいて、そのうち3月末までに2回目を購入した人が250人なら、F2転換率は25%です。この数値が低いほど、「広告費をかけて獲得した顧客の多くが1回で離脱している」ということを意味します。

F2転換率がLTVと直結する理由

EC事業においてF2転換率が重要視されるのは、LTVの構造と深く結びついているためです。初回購入時は広告費やクーポンなどの獲得コストが大きく、単体では利益が出づらい構造になっています。

初回で赤字であっても、2回目以降の購入で回収するモデルが一般的であるため、F2転換率が低いと回収フェーズに入る前に顧客が離脱してしまい、広告投資の大半が“一度きりの買い物”で終わります。ここが多くのECが利益体質になれない根本原因です。

初回購入者の心理変化と「2回目」の壁

1回だけの購入は「お試し」や「たまたま」の場合が多いのに対し、2回目購入まで進んだ顧客は、商品・配送・サポート・サイト体験の全体に一定の満足を感じている状態です。F2転換は「再購入したかどうか」ではなく、「このECで継続的に購入する可能性があるかどうかの分岐点」を示す重要な指標だと言えます。

F2転換率の目標値と業種差

業種や商材、価格帯、集客チャネルによってF2転換率は大きく変動します。そのため、一律の理想値は存在しませんが、実務では「自社の現状値を正確に把握し、優良顧客群とのギャップを埋める」アプローチが効果的です。初回〜2回目までの期間、購入単価、購入商品を比較すると、F2転換を後押しする行動や条件が見えてきます。

期間設定と母数の揃え方の注意点

F2転換率を正しく測定するには、商材特性に応じた期間を設定する必要があります。食品なら30〜60日、アパレルなら90〜120日など、自然なリピート期間を前提に算出しないと、誤った判断を招きます。

また、広告・SEO・SNSなど流入経路ごとに顧客特性は異なるため、チャネル別に分解して計測することが施策最適化の近道です。

CRM施策の効果測定指標としてのF2転換率

F2転換率はCRM施策の効果を測る指標としても有効です。ウェルカムメール、同梱物、利用シーン提案などの有無によってF2転換率にどれほど差が出るのかを比較することで、何が成果に寄与したのかを定量的に判断できます。短期の反応率だけでは見えない、中長期の“価値”を評価できるのが大きな特徴です。

このように、F2転換率は広告投資の回収、LTVの成長、顧客との関係性形成といった、EC事業の根幹を支える指標です。まずは自社のF2転換率を正確に測り、「なぜその数値なのか」を深掘りすることが、広告依存から脱却し持続的な成長につながる第一歩となります。

つづきはこちら!→「【Vol.2】広告依存から抜け出すECの新常識:初回購入〜F2転換を高めるCRMの具体施策と成功ポイント」

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執筆者情報

中村 隆嗣 中村 隆嗣

株式会社ファブリカコミュニケーションズ アクションリンクチーム 部長

2003年に北国からの贈り物へ入社。自社サイトの立ち上げから参画し月商3億円を超える成長まで導く。楽天/Yahoo!/Amazon/ぐるなびなど全店のマーケティング戦略責任者として各モールにおいて数々の賞を受賞。 2014年株式会社メディックスに入社し、年商2500億規模の大手製薬会社や外資系アパレルブランドなど、メーカー直販ECの事業コンサルティングを手がける。 コンサルティング先で多く見られたCRMの課題を解決すべく、2018年アクションリンクを立ち上げ、2023年ファブリカコミュニケーションズにジョイン。現在に至る。

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