そもそもLTVって何ですか?

Chapter

通販・ECの重要な指標であるLTVについて解説します。

通販・ECのビジネスモデル

通販・ECのビジネスモデルは、まずは新しいお客さんに購入してもらい、購入してもらったお客様にファンになってもらい、色々な商品を購入してもらうように促し、なるべく長い期間、なるべく多くの購入をしてもらうのが基本となります。
新規顧客獲得の指標はCPAやCPOといった指標があります。
LTVはリピート購入を測る指標となります。
簡潔に説明すると以下のようになります。

LTVとは?

「LTV(顧客生涯価値)とは、一人(一社)の顧客が、新規に、ある企業の商品やサービスを購入して取引をはじめてから、その企業との取引関係が終わるまでの期間を通じて、どれだけの利益をもたらすかを、長期的な視点で算出したマーケティング指標のことです」

LTVを把握する

LTVを把握することにより、新規顧客の獲得にどれだけのコストをかけられるかを計算することができます。逆にLTVを把握していないと、今行なっている施策をこのまま行なって良いのか?変えるべきなのか?儲かっているのか?などが曖昧なまま色々な施策を行うことになりかねず、自社の顧客、自社の商品のLTVを把握することは通販・EC事業社には必須の要素となります。

化粧品会社の例

例をあげると、一人の新規顧客の獲得に広告費が3万円かかる化粧品会社があったとします。
商品は基礎化粧品のセットが8000円だとします。
仮に利益が70%として、5600円の利益です。
30000円ー5600円=マイナス24400円
この時点では赤字です。
しかしこの会社の顧客が、新規のお客様になってからの3年間のLTVの平均が6万円だとします。
お客様の平均が1年半で10回以上購入する計算になります。
もちろん1回で終わるお客様もいらっしゃいますし、3年間ずっと購入してくれるヘビーユーザーも混在しています。
しかし平均で6万円のLTVだとすると、新規顧客の獲得に3万円かかっても良い計算になります。
(回収に3年間かかるので、手元資金が多くないと厳しいという話もありますが)

健康食品会社の例

健康食品会社で考えてみましょう。
一人の新規顧客の獲得に広告費が1万円かかるサプリ通販の会社があったとします。
商品はサプリの単品が2980円だとします。
仮に利益が70%として、約2000円の利益です。
10000円ー2000円=マイナス8000円
この会社もこの時点では赤字です。
しかしこの会社の顧客が、新規のお客様になってからの1年間のLTVの平均が16000円だとします。
お客様の平均が1年で約8回購入する計算になります。
この会社は2年目以降のLTVは参考程度にしかみないとします。
そう考えると2年以上購入する顧客を含めるとLTVは確実に16000円以上になります。
しかし1年間のLTVだけで判断する方が計算も早くできるため、この会社では1年間の指標を使って分析しています。
この会社で新規顧客の獲得が1万円を切れば、利益がどんどん出ることになるため、もし新規顧客の獲得が7000円で取れるのならば、どんどん投資した方が良いということになります。

LTVを把握していると判断ができる

このように自社の顧客や商品のLTVが1年間(もっと期間を長く設定する会社もありますが)でいくらなのか?を把握していると、新規顧客の獲得にいくら投資できるか?を迅速に判断できることになります。

新規顧客の獲得は順調だけど、LTVの数字が悪い場合は、LTVを伸ばすための施策を行えば、長期的には利益率が増えるはずなので、LTVをどう伸ばすかの施策を考え、実行することが非常に大事になります。

また、新規顧客の獲得コストが高く、LTVもあまりよくない場合は、新規顧客獲得の施策も見直しもしつつ、LTVを上げる施策も行わなければいけません。
新規顧客の獲得を進めなければそもそもビジネスとして立ち上がって行かないので優先度は高いのですが、同時にLTVも考え、リピート率も上げていかないといつまでたっても利益が上がらない構造のビジネスになってしまいますので注意しましょう。

LTVを上げる方法

具体的にLTVを上げるにはどうすれば良いのでしょうか?
いくつか例を上げますと、ポイントシステムや会員ランク制の導入、定期購入への誘導など、顧客囲い込みのための戦略の他に、きめ細やかな顧客対応やサポートの提供などがあります。
ただし闇雲に行なっていると、単なるコスト増になってしまい、収益を圧迫しかねないため、きちんと検証しPDCAを回す必要があります。
施策を行い、LTVがどのように変化したかを見つつ、新たな施策を考えて行う。
このサイクルを回し続けることが非常に重要です。

ぜひ自社や商品のLTVを把握して、LTVを上げる仕組みを導入してください。

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