ECサイトの離脱防止策と休眠顧客の再活性化方法

ECサイト運営者にとって、顧客の離脱や休眠は最も頭が痛いテーマの一つです。広告費をかけてようやく獲得した顧客が一度きりの購入で終われば、獲得単価は跳ね上がり、LTV(顧客生涯価値)は伸びません。
では、顧客はなぜ離脱・休眠してしまうのでしょうか。

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顧客が離脱・休眠する主な原因とは?

4つの原因

購入後フォロー不足

初回購入後にサンクスメールや使い方ガイド、レビュー依頼が届かないと、顧客はブランドとの心理的距離を詰めきれずに離れてしまいます。

価格・送料への不満

競合サイトと比較して価格差が大きかったり、送料が高額だったりすると、次回はよりお得な選択肢へ移行する傾向があります。

サイト/アプリのUI・UX

モバイル比率が8割を超える今日、スマホ画面での操作ストレスは直結して離脱要因になります。カートから決済完了までのステップ数が多い、読み込みが遅い、といった技術的課題も無視できません。

パーソナライズ不足

顧客は自分に「今必要な情報」が提示されることを期待しています。訴求が汎用的すぎると関心が薄れ、結果的に休眠へつながります。

ストーリーで理解する

家電ECを例に考えてみましょう。Aさんはコードレス掃除機を比較検討し、あなたのサイトで購入しました。しかし購入後は何のフォローもなく、替えのバッテリー情報も届かないため、半年後にバッテリーが劣化した際には検索上位の別サイトでアップグレードモデルを購入してしまいました。

もし購入翌月に「長く使うためのバッテリーケア講座」と「替えバッテリー10%OFFクーポン」を届けていれば、Aさんは再訪した可能性が高いはずです。

データで見る離脱ポイント

自社のGA4データを分析すると、多くのサイトで決済ページの直前に離脱率のピークが現れます。決済フォームの項目が10以上あったり、住所入力でエラーが頻発する場合はすぐに簡略化やUI改善を検討しましょう。
また、平均ページ読み込み時間が4秒を超えると直帰率は50%を超えるという海外調査 (出展:Google Web Fundamentals, 2024) もあるため、画像圧縮やキャッシュ最適化などパフォーマンス改善も重要です。

離脱直前のユーザーを引き止める方法

離脱防止の最前線は「いま離れようとしている顧客」をどれだけ救えるかにかかっています。行動データをリアルタイムで解析し、「離脱兆候」を検知した瞬間にコミュニケーションを差し込むことで、コンバージョンを引き上げることができます。

有効なテクニック

カゴ落ちポップアップ

「あと◯◯円で送料無料」「3時間以内の購入で10%OFFクーポン適用」のような損失回避メッセージは、心理的に“逃したくない”気持ちを刺激します。

チャットボットによる即時Q&A

購入直前の疑問(送料はいくら? サイズ感は?)を30秒以内に解消できれば、離脱率は大きく下がります。家具ECの事例では、サイズ相談チャットの導入でCVRが25%向上しました。

ソーシャルプルーフの提示

「この商品は今、◯人が閲覧中」「過去24時間で×件購入」のような実績表示は安心感と希少性を同時に演出します。

エグジットインテントメール

カート投入後24時間以内にリマインドメールを配信し、購入特典やレビューを紹介すると平均10〜20%の割合で復帰が見込めます。

ポイント
:焦らせすぎる表現は逆効果です。“あなたにとって得になる情報”をスマートに提示しましょう。

AI予測モデルの活用

機械学習を用いて「離脱確率」をリアルタイム推定し、スコアが一定以上のユーザーだけに特典を表示する手法もコスト効率が高いです。靴ECのC社では、スコアリング導入でクーポン配布数を35%削減しながら売上を12%増加させました。

オムニチャネル対応

離脱後すぐにアプリのPUSH通知やLINEメッセージで「カート内商品のレビュー動画」を送り、再訪率を高めた雑貨ECの事例も。チャネル横断で体験をつなげることが、現代の顧客には必須です。

休眠顧客に効果的な再アプローチ施策

休眠顧客は“もう興味がない”わけではありません。“買う理由を思い出していない”だけかもしれません。鍵になるのは「パーソナル」「ストーリー」「タイミング」の3要素です。

具体施策

パーソナルクーポン

最終購入日から90日経過した顧客に対し、過去に買ったカテゴリと同一の新商品を紹介しつつ「あなた専用15%OFF」を付与すると、平均開封率は通常の1.5倍。

ライフイベント連動

誕生日クーポンは定番ですが、さらに「購入からちょうど半年」「登録から1年」の記念日に“サプライズメッセージ”を届けると、CTRが大幅に改善します。

用途提案型動画

例:キッチン家電を購入した顧客へ「プロ料理人が教えるレシピ動画」+「追加アタッチメント紹介」。動画視聴後48時間以内の再購入率が8%→18%へ。

ステップメールで関係再構築

1通目:感謝と近況伺い
2通目:役立つ記事やレビュー紹介
3通目:限定オファー

という3段階アプローチが最も成果が出やすいことが多いです。

成功事例

スポーツサプリECのB社は、休眠180日以上の会員5,000人に対し、パーソナルクーポン+栄養計算ツールを紹介したメールを配信。半年間で1,020人が復帰し、平均購入単価は新規客の1.4倍になりました。

コミュニティの力を借りる

ブランドコミュニティやInstagramライブで交流の場を設け、休眠顧客を招待すると、“所有感”が復活し再購入の動機付けにつながります。ベルギーのクラフトビールECでは、オンライン試飲会への招待が復帰トリガーとなり、平均注文額が1.7倍に伸びました。

RFM分析で優先順位付け

すべての休眠顧客に同じコストをかける必要はありません。R(Recency)×F(Frequency)×M(Monetary)でスコアリングし、ハイポテンシャル層からリソースを集中投下することでROIを最大化できます。

離脱率改善のために活用すべきCRM機能

CRMは“顧客の現在地”を可視化する羅針盤です。特にEC向けCRM「アクションリンク」などには、離脱・休眠を未然に防ぐ機能が揃っています。

機能 何ができるか 離脱防止への貢献
シナリオ自動化 購入後30日未購入→レビュー依頼→60日未購入→クーポン発行 適切なタイミングで接点を維持
行動スコアリング ページ閲覧数・カート投入・検索回数を点数化 リスク顧客を優先フォロー
レコメンドエンジン 閲覧履歴×類似ユーザー購入傾向で商品提案 関心喚起で離脱を阻止
マルチチャネル配信 メール・LINE・アプリPUSHを一元管理 顧客がいる場所でメッセージ

運用のコツ

タグ設計はシンプルに

タグが増えすぎるとセグメントが複雑化し分析負荷が高まります。“行動”“購入周期”“好み”の3軸をベースに設計すると回しやすいです。

KPIと紐づける

シナリオごとに「開封率」「復帰率」などを設定し、ダッシュボードで週次確認⇒改善を習慣化しましょう。

分析テンプレートの活用

CRMが用意する「カゴ落ち分析」「復帰分析」テンプレートを活用すれば、SQLが書けなくてもマーケター自身で洞察を得やすくなります。また、他社平均とのベンチマーク機能があれば、“うちだけが悪いのか”をすぐ判断できます。

成果を継続させるためのKPIとPDCA

取り組みを一過性で終わらせないためには、数値目標と改善サイクルをセットで回すことが不可欠です。

代表的KPI

– 再購入率(Repeat Purchase Rate)
期間内に2回以上購入した顧客 ÷ 期間内の購入顧客

– 休眠復帰率
対象休眠顧客のうち期間内に購入した人数 ÷ 対象人数

– 平均注文間隔
直近2回の購入間の日数平均。短縮できていればロイヤルティ向上のサイン。

– メール/LINE開封率・クリック率

PDCA運用例

Phase 具体アクション
Plan 「休眠150日以上の顧客5%復帰」目標設定。施策:パーソナル動画+15%OFFクーポン
Do CRMでシナリオ作成、テスト配信で件名ABテスト
Check 2週間後、復帰率3.2%、動画視聴有無でCVRに2倍差
Act 動画視聴率向上を目的に、サムネイルをレシピ写真に変更して再実施

ノウハウ蓄積のポイント

失敗施策から学ぶ文化を醸成することが、離脱防止の真の近道です。数字が悪かった要因をあいまいにせず、「仮説→検証→再挑戦」を社内で共有し続ければ、打ち手の質は必ず上がります。

まとめ

顧客の離脱と休眠は、データを“読み解き・動かす”ことで大幅に減らせます。

1.原因を可視化し
2.リアルタイムで兆候を察知し
3.パーソナルかつ物語性のあるコミュニケーションを継続的に届ける

このサイクルをCRMで自動化できれば、マーケターは「何を届けるべきか」の戦略に専念できます。
“顧客に忘れられないECサイト”を目指し、今日から一つずつ施策を実装してみてください。

ダッシュボード共有で巻き込み力アップ

KPIをグラフ化して週次でSlack共有すると、チーム外のデザイナーやCS担当まで施策効果を把握でき、改善アイデアが自然と集まる環境が生まれます。数字を“みんなのもの”にすることで、PDCAはさらに高速化します。

外部指標との連携

広告入稿やSNSバズによる流入変動を考慮し、KPIを補正することで“真の改善効果”を見失いません。BIツールと連携してダッシュボードに外部指標を埋め込むのもおすすめです。

次の一手:今日から始めるチェックリスト

1. 離脱ポイントの数値化

GA4でファネルを設定し、直帰・離脱率が高いページを洗い出す。

2. 即効性のある施策を1つ実装

例:カゴ落ちメールのテンプレートを1時間で設定し、明日から自動配信。

3. 休眠顧客セグメントの抽出

最終購入日120日以上でRFM上位30%をCSVでエクスポート。

4. CRMにKPIを登録

再購入率・復帰率をウィジェット化し、毎週月曜にチームへ共有。

5. 学びを共有

良かった点・悪かった点をNotionや社内Wikiへ記録し、知見をストック。

小さなトライアルを高速で回すことが、離脱防止と休眠顧客活性化の最短ルートです。「完璧な計画より、走りながら改善」を合言葉に、一歩踏み出してみてください。きっと来月のレポートには、喜ばしい数字が並んでいるはずです。

補足
:本記事で紹介した施策は、商材や顧客層によって最適解が異なります。必ず小規模テストで検証し、フィードバックループを短く保つことで、あなたのビジネスに合った“勝ちパターン”を見つけ出してください。

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執筆者情報

中村 隆嗣 中村 隆嗣

株式会社ファブリカコミュニケーションズ アクションリンクチーム 部長

2003年に北国からの贈り物へ入社。自社サイトの立ち上げから参画し月商3億円を超える成長まで導く。楽天/Yahoo!/Amazon/ぐるなびなど全店のマーケティング戦略責任者として各モールにおいて数々の賞を受賞。 2014年株式会社メディックスに入社し、年商2500億規模の大手製薬会社や外資系アパレルブランドなど、メーカー直販ECの事業コンサルティングを手がける。 コンサルティング先で多く見られたCRMの課題を解決すべく、2018年アクションリンクを立ち上げ、2023年ファブリカコミュニケーションズにジョイン。現在に至る。

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