F2転換率はECサイトにとってなぜ重要?改善に役立つ施策も解説
F2転換とは、新規顧客が2度目の購入・利用をすることをいいます。F2転換が成功するとリピーターが増え、利益の確保・継続的な収入の獲得が可能です。この記事では、F2転換とはなにか、またF2転換を成功させるための施策などについて解説します。
F2転換とは、ECサイトや店舗で、2回目の商品購入・サービス利用をすることをいいます。
新規顧客がリピーターになることともいえ、企業が安定した収入を得るため常に改善が求められる、大きな課題のひとつです。しかしなかなかF2転換率が上がらず、お悩みのご担当者さまも多くいらっしゃいます。
そこでこの記事では、F2転換とはなにか・F2転換率が重視される理由・改善のためにできる施策についてご紹介します。「時間も人材も足りない」「効率的にF2転換のための仕組み作りをしたい」といった場合に便利なツールもご紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
- Chapter
- 1. F2転換とは(エフツー・エフニテンカンリツ)
- 1-1. 分析方法1|F2転換率
- 1-2. 分析方法2|F2転換CPO
- 2. F2転換率の平均は?業界によって大きく異なる?
- 3. F2転換率の重要性
- 3-1. 新規顧客獲得のコストを回収できる
- 3-2. LTVを改善できる
- 4. F2転換率が下がる要因・改善のための施策
- 4-1. F1顧客への接触が少ない場合は接触回数を増やす
- 4-2. F1顧客へのアプローチが適切でない場合は施策を見直す
- 4-3. ECサイトの利便性が悪いときはサイトを改善する
- 4-4. 商品・サービスの価値が伝わっていない場合はサービスや訴求を見直す
- 5. F1顧客を取りこぼさない!CDP×CRM×BIの「アクションリンク」
- 6. まとめ
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1. F2転換とは(エフツー・エフニテンカンリツ)
F2は商品またはサービスを2回購入した顧客のことをいい、F2転換は、新規顧客が再度そのECサイトを利用することを指すことばです。
Fは「Frequency」(頻度)の頭文字で、新規顧客をF1、リピートして2回目の購入に至った顧客をF2、3回目の購入に至った顧客をF3など、利用回数を示します。
しかしそのうち、F1からF2への移行(F2転換)が、もっともハードルが高いといわれています。
それというのも、広告・口コミ・割引キャンペーンなどの利用でF1が発生しても、顧客がその品質に満足し、継続して使いたいと思わなければF2には進まないためです。
F3以降は、すでに品質と企業の信頼性に納得している顧客のため、より高確率で転換が成功する傾向にあります。
つまり、顧客を2回目の利用に導けるか(F2転換できるか)というのが、リピーター獲得のための大きな課題となるでしょう。
そこで商品やサービスを提供する側が意識して確認・把握しておくべきなのが「F2転換率」と「F2転換CPO」のふたつです。
それぞれの概要とその計算方法をご紹介します。
1-1. 分析方法1|F2転換率
F2転換状況を分析する方法として、F2転換率を算出することが挙げられます。
これは、F1からF2へ、顧客がどれくらいの割合で推移したのかを示す指標で、以下の式で求められます。
F2顧客数÷F1顧客数(新規顧客数)×100
たとえば、100人の新規顧客を獲得して、そのうち25人が2度目の購入に至った場合は、F2転換率は25%となるでしょう。
また150人新規顧客がいて、30人が2度目の購入をすれば、20%のF2転換率となります。
なかには、ここまで確認して「リピート率とはなにが違うのか」とお思いになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
F2転換率とリピート率は似た指標ですが、以下の違いがあります。
リピーターとなった顧客の全体像を探るには、リピート率ではなくF2転換率を参照する必要があるため、注意しましょう。
<リピート率とF2転換率の違い>
- リピート率……一定期間におけるF2転換率を示す割合
- F2転換率……期間を区切らず、F1からF2へ推移した顧客の割合
リピート率について、またその算出方法や改善の施策については「リピート率アップで生き残るECサイトに!効果や施策6例を解説」でくわしくご紹介しています。
気になる方は、あわせてチェックしてください。
1-2. 分析方法2|F2転換CPO
F2転換CPO(Cost Per Order)は、顧客をF2転換させるためにかかった広告費用を示すことばです。
F1からF2へ推移させるために必要とした広告・DM・メール・クーポンなどにかかったコストを算出するのに使うもので、もちろん、この指標は低いほうが好ましいといえます。
F2転換CPOの算出には、以下の計算式を用います。
<F2転換CPOの算出方法>
- CPOの算出……広告費用÷売上件数
- F2転換CPOの算出……CPO÷F2転換率
たとえば「100人の見込み顧客のうち25人がリピート購入に至った」「10万円の予算で販促企画を実施した顧客のうち25%が再購入に至った」と仮定すると、F2転換CPOは以下のとおりとなります。
1人の顧客をF2へ誘導するのに、16,000円がかかった計算です。
1. CPOの算出……10万(広告費用:円)÷25(売上件数:人)=4,000(円)
2. F2転換率CPOの算出……4,000(CPO:円)÷25(F2転換率:%)=16,000(円)
この指標も低くおさえられるほうが、費用対効果が高いといえます。
算出したりツールで出力したりして、定期的にチェックし、よりコストをおさえられるように工夫しましょう。
2. F2転換率の平均は?業界によって大きく異なる?
F2転換率の平均値は、業界によって大きく異なり、一概にはいえません。
ただしECサイトでは、おおむね30~40%程度が平均といわれています。
そのため、この数値を大きく下回ってしまっている場合は、対策を考えるべきといえるでしょう。
とはいえ、ECサイトで取り扱う商品・サービスによってF2転換率も変わってきます。
購入後1~2週間でリピート購入も見込める消耗品を扱うECサイトと、一度購入すれば数か月、あるいは年単位で使える品物を扱うECサイトでは、また異なる数値が算出されるはずです。
自社商品の消費にかかる期間を考慮して、F2転換率をチェックしましょう。
3. F2転換率の重要性
自社のECサイトを運営するうえで、F2転換率は重要な指標となります。
それというのも、新規顧客獲得のコスト回収や、LTV(Life Time Value)の改善に欠かせないためです。
F2転換率の重要性について、それぞれ詳しくご紹介します。
3-1. 新規顧客獲得のコストを回収できる
新規顧客を獲得するにあたり、大々的に広告を出したりクーポンの提供・割引キャンペーンの開催をしたり、まとまったコストがかかるでしょう。
そのため、新規顧客を獲得したら、リピート購入(F2転換)をしてもらうことによって、そのコストを回収(利益を確保)する必要があります。
たとえば「まとまったコストを費やしてようやく新規顧客を獲得しても、まったくリピートにつながらない」といった状態だと利益が確保できないのです。
そのため、F2転換率が著しく低い場合は、できるだけ早いうちに改善のための施策を打ち出す必要があるでしょう。
また一方で、マーケティング用語には「1:5の法則」というものがあります。
これは「新規顧客を獲得するのには、既存顧客の5倍ものコストがかかる」という法則です。
F2転換を成功させてリピーターを増やし、安定した収益を確保できるよう、早期から仕組みづくりをしておくことが大切です。
3-2. LTVを改善できる
LTVとは、顧客生涯価値とも呼ばれる指標をいい、顧客がその企業(自社)で使うトータルの金額を表します。
利用する期間が長いほど、あるいは購入回数が多いほどLTVが高まり、全体的なLTVが高まれば自社の収益も増加します。
F2転換を成功させることで、その顧客が競合他社ではなく自社で商品・サービスを購入するようになり、LTVが上昇するでしょう。
ただしLTVを向上させるには、顧客層に合わせた、適切な施策への取り組みが欠かせません。
顧客層や人気の商品・使用する金額などを把握・分析し、顧客管理(CRM)に取り組みましょう。
4. F2転換率が下がる要因・改善のための施策
「お客さまを第一に考えているのに、なかなかリピーターになってくれない」
そのようにお悩みの場合は、もしかしたら無意識のうちに、F2転換率を下げるようなことをしてしまっているかもしれません。
F2転換率を下げてしまう主な要因を4つご紹介するため、ひととおり確認しておきましょう。
4-1. F1顧客への接触が少ない場合は接触回数を増やす
まずは、取りこぼしてしまっている新規顧客へのアプローチ方法を見直しましょう。
たとえば、以下の点を見直し、反応を分析するのがおすすめです。
<F1顧客へのアプローチ例>
- 購入してもらったあと、放置していないか/連絡をしすぎていないか
- 購入後のフォローメールを送るタイミングは適切か
はじめてECサイトを利用するユーザーは、商品やサービスの品質がよいか・梱包や配送の手続きが適切かなど、さまざまな点で不安を抱いているものです。
購入してもらったあとに企業側からなんの連絡もない場合、不安に感じる顧客もいらっしゃるでしょう。
そのため利用後は、以下のように、ユーザーへのフォロー体制を作っておくことが大切です。
<ユーザーへのフォローアップ例>
- 商品の効果やECサイトの使い勝手など、使用後の感触を確かめるアンケートメールを送る
- 商品に関するTIPSを記載したメールを送り、商品をより便利に活用してもらえるようにする
- 「なにかあればすぐにサポートを受けられる」と安心してもらえるよう、お問い合わせ先を記載したメールを送る
4-2. F1顧客へのアプローチが適切でない場合は施策を見直す
- 商品送付時に販促品や販促カタログ・販促チラシを大量につけている
- メルマガで販促情報ばかりを送っている
- 不適切なタイミングでアプローチしている(例:使用後2週間程度で効果が実感できる商品を購入した顧客へ、たった1週間後に継続購入を促すメルマガを送る)
上記のように、不適切なアプローチをされても、顧客は「販促色が強い」「押し売りされている」といった印象を抱いてしまうでしょう。
顧客へのアプローチを適切なタイミング・内容でできているかを見直すことで、顧客の取りこぼしを防げるはずです。
顧客に対するメール施策については「総合通販ECでリピート売上を劇的に増やすためのメール施策7選」で解説しているため、あわせて参考にしてください。
4-3. ECサイトの利便性が悪いときはサイトを改善する
ECサイトの使い勝手が悪い場合も、F2転換率を下げてしまいます。
「注文するのが面倒」と思われてしまっては、リピートにつながらない可能性が高まってしまうのです。
そのため以下のように、ユーザー目線であらためて自社サイトをチェックしてみましょう。
<ECサイトの見直し例>
- 商品紹介は、概要・特徴・使い方などがわかりやすく記載されているか
- ポイント制度がある場合は、現在のポイント数・購入で付与されるポイント数・支払いに利用できるポイント数などがわかりやすいか
- 支払い・購入までの動線はわかりやすいか
- 画像が複数掲載されており、購入の際の判断に役立つか
- 入力フォームが多すぎないか、2回目以降では入力の手間が省ける仕様になっているか
- サイトが暗号化されており、安心して使えるか
- 支払方法は、顧客のニーズにあったものが用意できているか
4-4. 商品・サービスの価値が伝わっていない場合はサービスや訴求を見直す
「期待していたほどのものではなかった」として、商品価値を感じてもらえなかった場合も、F2転換率を下げる可能性があります。
この場合は、宣伝のために誇大広告になっていないか(実物に近しい宣伝になっているか)を確認しましょう。
また高品質の商品でも、ユーザーがはじめて使う商品のために適切な使い方ができておらず、効果を実感してもらえない場合もあります。
その場合は、きちんと効果を感じてもらえるよう、情報をメールで送ったりわかりやすい説明書をつけたり、充実したフォローアップ体制が必要です。
たとえば、CRMツールで顧客情報を一元管理して、そのユーザー行動に合わせたステップメールを送付するのもよいでしょう。
はじめて触れる商品でもきちんと効果を感じる使い方をしてもらえるよう、アプローチ方法を見直してみましょう。
5. F1顧客を取りこぼさない!CDP×CRM×BIの「アクションリンク」
顧客一人ひとりに合った対応が必要でも、それに取り組む人材や時間がないとお悩みの企業さまがほとんどではないでしょうか。
そのときは、柔軟性の高いツールを導入し、活用するのがおすすめです。
F2転換を成功させるためにできる施策として、ここまでご紹介したのは以下の取り組みでした。
こうした対応は、各顧客の情報を一括管理する機能(MA・CDP・CRM)・メッセージ送信機能・結果検証機能(BI)などを搭載するツールがあれば、効率化できます。
<F2転換率を高める施策の例>
- ユーザーへ適切なタイミング・内容のアプローチをする
- ECサイトの利便性を改善する
- 適切な販促と、商品活用のためのフォローアップ体制を用意する
そこでおすすめなのが、上記の各機能を搭載した「アクションリンク」です。
「アクションリンク」は、顧客情報と細かなシナリオ設定をもとにメッセージを自動配信できる、ECサイト特化型のCRMツール。
複雑なシナリオにも対応できるうえ、効果分析機能がありPDCAを繰り返しやすいのも大きな特徴です。
また直感的に扱えるデザインになっており、導入後は当日から活用できます。
「アクションリンク」については「超初心者のためのCRM入門」「なぜ単品通販が”CRM”に注力する必要があるのか? 単品リピート通販ケース別”CRM施策”」から詳しい資料を無料ダウンロードできます。
F2転換でお悩みのご担当者さまは、ぜひチェックしてください。
6. まとめ
F2転換とは、商品やサービスを2回購入した顧客を指すことばです。
新規顧客(F1顧客)をF2転換させてリピーターを増やし、利益を確保するための指標として役立ちます。
F2転換率が上がらない要因としては、アプローチ方法やECサイトの利便性が適切でないことなどが考えられるでしょう。
ぜひこの記事でご紹介したポイントをおさえて、F2転換を成功させるのに役立ててください。
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よくあるご質問
- F2転換とは何を指すのか?
- F2転換は、商品またはサービスを2回購入した顧客のことを指し、新規顧客が再度そのECサイトを利用することを意味します。
- F2転換率の計算方法は?
- F2転換率は「F2顧客数÷F1顧客数(新規顧客数)×100」の式で求められます。
- F2転換率の平均値はどれくらいか?
- ECサイトでは、おおむね30~40%程度が平均といわれています。
- F2転換率が低い場合の主な要因は?
- F1顧客への接触が少ない、アプローチが適切でない、ECサイトの利便性が悪い、商品・サービスの価値が伝わっていないなどが考えられます。
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