RFM分析とは?取り組むメリットや方法について解説
「既存顧客に対して効果的な施策を実施するには、RFM分析が必要」
「CRM施策のキーポイントはRFM分析」
RFM分析の重要性を耳にして、どのように取り組むべきかお悩みのECサイトご担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
RFM分析は、自社の経営状況・顧客層・施策の効果検証に役立つ分析方法です。定期的に取り組むことで、経営状況の安定化や改善に役立つでしょう。
しかし、RFM分析に対する具体的なイメージや、メリット・デメリットが思い浮かばない方も多いはずです。
そこでこの記事では、RFM分析について・メリットやデメリットについて・取り組み方についてなどを、わかりやすく解説します。
- Chapter
- 1. RFM分析(あーるえふえむぶんせき)とは
- 1-1. RFMとは
- 1-2. R・F・Mの顧客データを把握するには
- 2. RFM分析の目的と必要性
- 3. RFM分析のやり方
- 3-1. RFM分析の目的を明確にする
- 3-2. 顧客データを収集・整理する
- 3-3. 基準値を設定してグループ分けする
- 3-4. 各グループに対する施策を検討する
- 3-5. PDCAを回す
- 4. RFM分析の注意点
- 4-1. 商材によっては適さない場合がある
- -2. キャンペーンや特典の影響を判断する必要がある
- 4-3. 高度な専門性が要求される場合がある
- 5. RFM分析はエクセルでもできる?
- 6. RFMの指標を把握するなら「アクションリンク」
- 7. まとめ
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1. RFM分析(あーるえふえむぶんせき)とは
RFM分析は、顧客データを分析し施策に活かすことで、顧客が特定の企業に対し使う総額を示す「LTV」(Life Time Value)を向上させるのに役立つマーケティング手法です。
まずはRFM分析について、どのような情報を扱うのか・そのデータを収集するために使うツールなどについてご紹介します。
1-1. RFMとは
そもそも「RFM」とはなにかと疑問にお思いの方も多いでしょう。RFMは、以下の頭文字を取ったことばです。
- Recency……購入日時(直近いつ購入したか)
- Frequency……購入頻度(何度購入したか)
- Monetary……購入金額(いくら購入したか)
Rは、最新の購入日時を指します。
たとえば、2年前が最終購入歴の顧客と1週間前に購入した顧客がいたとしましょう。リピート購入を促しLTVを上げるためには、後者の方がアプローチの効果を期待できることはイメージしやすいはずです。
Fについても、1度購入したきりの顧客と数年にわたり毎月購入しているリピーターとでは、後者の方が継続購入を期待できる優良顧客といえます。
Mは購入した商品にもよりますが、やはり数値が高いほど、優良顧客といえるでしょう。
上記の各データを参照して、顧客の傾向を確認すれば、自社ECサイトの課題を発見するのに役立ちます。
たとえば、全体的にFの値が低くF2転換ができていない場合は、リピート率アップのための施策が不足している・商品やサービスに問題があることが考えられるはずです。一方、全体的にRの数値が悪い場合は、自社ECサイトのことを思い出してもらう施策が必要と考えられるでしょう。
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1-2. R・F・Mの顧客データを把握するには
「RFM分析に必要なデータを効率的に収集・分析するには、どうすればよいのか」とお悩みのご担当者さまもいらっしゃるでしょう。その場合は、ECサイトであればCRMツールを活用するのがおすすめです。
CRMは顧客管理・顧客関係管理と訳されることばで、CRMツールは、顧客の情報を一元管理するのに役立つツールです。
CRMツールであれば、手作業で管理するよりも膨大なデータを転記・整理できます。また、効率的かつ正確に情報収集と分析ができるでしょう。
また実店舗の場合は、POSレジを活用すると効率的です。
POSレジがあれば、いつ・どこで・なにを購入したか、ポイント履歴など各種データがリアルタイムで蓄積されていきます。
ECサイトならCRMツール、実店舗の場合はPOSレジと、CRMツールを連携して効率的にデータを取得・分析していきましょう。
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2. RFM分析の目的と必要性
RFM分析の目的は、顧客獲得に効果的な、適した施策を見つけることです。
R・F・Mの数値の程度に応じてグループ分けすることで、全顧客へ同じアプローチではなく、以下のように費用対効果の高い施策を打ち出せるでしょう。
<RFM分析によるアプローチ例>
- 直近の購入履歴が確認できない顧客にはリピート購入のためにアプローチする
- 直近の購入履歴は確認できるが、購入金額が控えめな顧客にはクロスセルやアップセルでアプローチする
- RFMすべてがよいロイヤル顧客には、特別感のあるサービスを提供する
定期的にRFM分析を実施して長期的にアプローチしていくことで、そのときどきの利用状況に応じた対応が可能です。
一般的な顧客を、長期的かつコンスタントに購入するロイヤル顧客へと育てるために必要な手法といえます。
3. RFM分析のやり方
それでは、実際にRFM分析はどのように取り組むものなのか、4ステップにわけてご紹介します。
しかしRFM分析の実行には、データ分析に関する専門的な知識と技術が必要です。
ここでは基本的な取り組み方についてご紹介するため、ひととおり確認し、おおまかなイメージをつかむのに役立ててください。
3-1. RFM分析の目的を明確にする
RFM分析に取り組む際は、まず「なぜRFM分析するのか」「RFM分析でなにを明らかにしたいのか」といった、目的を明確にしておくことが大切です。
「プッシュしている商品の売れ行きが悪い」「リピーターがなかなか増えない」「販促の費用対効果が悪い」など、いま抱えている課題をもとに設定しましょう。
設定した課題に応じ、それぞれ「とくに重視すべき要素がR・F・Mのどれになるのか」「いつまでさかのぼって分析するのか」などが変わってきます。
要素や分析対象の時期が変われば収集すべき情報も変わってくるため、はじめは必ず、目的を明確にすることからはじめましょう。
3-2. 顧客データを収集・整理する
RFM分析に取り組む目的が定まったら、実際に、目的に応じた顧客データを収集・整理していきます。
たとえば、あらためてメインの顧客層を把握したい場合は、顧客のパーソナルデータを収集する必要があるでしょう。
販促の費用対効果も検討したい場合は、メルマガの開封率とコンバージョン率もあわせて収集する必要があります。
目的に応じてどの情報が必要か厳選し、まとめましょう。
ただし複数のツールを活用して情報を収集したり、複数人で収集したりする場合は、表記ゆれに注意することが必要です。
たとえば同じ日付を示していても、和暦と西暦、/表記と年月日表記など、表記ゆれで違うデータとして処理されてしまうと、ツール上で正しく整理されません。
データ収集のやり直しになる可能性もあるため、収集方法について事前に共有しておきましょう。
3-3. 基準値を設定してグループ分けする
データの収集・整理が終わったら、ランク付けの基準値を設定し、実際にグループ分けをしていきます。
グループ分けは、以下のような区分を設けて取り組みましょう。
<顧客区分例>
- ロイヤル顧客……購入頻度が高く、購入金額も高い顧客
- 優良顧客……リピート購入している顧客・リピーター
- 新規顧客……初回購入・初回利用をした顧客
- 安定顧客……安定して購入・サービス利用歴が確認できる顧客
- 休眠顧客……一定期間、購入がない顧客
たとえば、以下のようなランク付けができるはずです。
ランク1 | ランク2 | ランク3 | ランク4 | |
---|---|---|---|---|
R(購入日時) | 30日以内 | 60~31日以内 | 61~90日以内 | 91日以上前 |
F(購入頻度) | 10回以上 | 6~9回 | 2~5回 | 1回のみ |
M(購入金額) | 1万円以上 | 5,000円~9,999円 | 2,000円~4,999円 | 1,999円以下 |
基準 | |
---|---|
ロイヤル顧客 | RFMすべてランク1 |
優良顧客 | RFMがすべてランク2以上 |
安定顧客 | RFMのうちランク1・ランク2・ランク3が1つずつ |
新規顧客 | Fがランク4で、Rがランク3以上 |
休眠顧客 | Rがランク4 |
ただし、ランク区分を細かくしすぎると作業がたいへんになります。
5ランクに分ける場合でも125通りのグループができるため、さらに複数グループをまとめて中グループ・大グループを作るなど、全体像を把握しやすいよう工夫する必要があるでしょう。
3-4. 各グループに対する施策を検討する
顧客のランク付けやグループ分けができたら、それぞれに対する施策を検討します。
たとえば、ロイヤル顧客には特別感のある施策を検討する、新規顧客にはフォローアップメール・ステップメールを送るといった施策が有効です。
それぞれの顧客に適した施策を検討し、実施しましょう。
3-5. PDCAを回す
RFM分析は、一度取り組んで終わりではありません。
分析とアプローチを実行したのちも、定期的かつコンスタントに取り組み、PDCAを繰り返す必要があります。
各グループの人数がどう変化しているか、どんな施策を打ったときにどのランクがどう変化したかなど継続的に施策と検証を繰り返していくことでロイヤル顧客を増やしていくことができます。
顧客を育成するには時間がかかるうえ利用状況に応じたアプローチが必要になるため。
顧客育成に時間がかかるなら、おのずとRFM分析をもとにした施策も中長期的な取り組みになるでしょう。
一度取り組んで終わりではなく、何度も繰り返し取り組むこと・長期的に取り組める体制を作っておくことが大切です。
4. RFM分析の注意点
販促施策の実行・リピーター獲得のために役立ち、増収増益によい効果が期待できるRFM施策ですが、取り組む際にはいくつかの注意点をおさえておく必要があります。
それぞれを把握したうえで分析にとりかからなければ、時間・労力をかけたにもかかわらず、失敗してしまう可能性もあるでしょう。
主なデメリット・注意点を4つご紹介するため、ひととおり確認してください。
4-1. 商材によっては適さない場合がある
取扱商品の性質によっては、RFM分析が適さない場合があります。
たとえば、以下の商材は、RFM分析に向きません。
- 時期によって売上が大きく変わる季節商材
- 一時期の利用に留まるベビー用品・こども用品
- リピート購入されにくい高額商品(家・車など)
- 単発での利用が想定されるサービス(冠婚葬祭)
ライフステージや商品の特性は考慮されない分析方法のため、そうした点を含めて検討しなければならないECサイトの場合は、RFM分析は不向きです。
上記に該当する場合は、RFM分析ではなく、ほかのアプローチ方法を模索する必要があるでしょう。
-2. キャンペーンや特典の影響を判断する必要がある
RFM分析のメリットとして「RとFの情報があれば分析できる」とご紹介しました。
しかし、実際に分析する際は、そうした数値に影響を及ぼす各種施策についても考慮が必要です。
たとえば、以下のことを考慮する必要があるでしょう。
<考慮すべきキャンペーン・施策>
- 自社ECサイトの施策……アニバーサリーイベントでのクーポン配布・母の日や父の日に際しての値引きなど
- 出店しているモールの施策……クーポン配布・送料無料キャンペーンなど
こうしたキャンペーンが行われているときは、当然、RやMの数値が改善します。
なかには、キャンペーンが行われているときにのみまとめ買いをする顧客もいるでしょう。
その顧客が使った金額が大きければ、毎月1,000円分を5年間購入しているリピーターよりも、2日前に1度だけ6万円分購入した顧客のほうが優良顧客と分析される可能性があります。
キャンペーンはRFM分析に大きな影響を及ぼすため、慎重に確認しておきましょう。
4-3. 高度な専門性が要求される場合がある
RFM分析はR(購入日時)とF(購入頻度)がわかれば取り組める手法ですが、分析作業自体は、非常に複雑な作業になります。
たとえば、より正確に実情を把握しようとして、ランクを細かく設定した場合が挙げられるでしょう。
そうなると、あまりに多くのグループができてしまい、整理がしにくくなります。
もし分析やデータの取り扱いに詳しくないスタッフが取り組んだ場合、正確な分析結果を出力できない可能性があります。
こうした複雑さによって分析業務が属人化し、特定のスタッフへ負担が偏ることをも招きかねません。
またCRMツールやPOS、専用の分析ツールを使わずに取り組んだ場合、たいへんな労力と時間がかかることになります。
分析にかかる作業効率を重視する場合・分析結果の正確さを求める場合は、各種ツールの導入を検討するのがよいでしょう。
5. RFM分析はエクセルでもできる?
「コストをかけずにRFM分析をしたい」とお悩みのご担当者さまも多いのではないでしょうか。
その際に検討されることが多いのが、Microsoft社が提供するツール「Excel」を用いた分析方法です。
エクセルの「ピポットテーブル」という機能や、プログラミング技術(Python)を活用すれば、無料ツールのみで分析することも可能です。
しかしエクセルを使ってRFM分析する場合、担当者の技量により分析のしやすさが変わる・属人化しやすいといったデメリットも生じます。
属人化してしまうとひとりの担当者への負担が大きくなったり、その人物が異動や退職でいなくなってしまうとRFM分析ができなくなったりするなど、いくつかの問題が出てしまうでしょう。
ご紹介したとおり、RFM分析は長期的に取り組むものであるため、途中で頓挫してしまう体制作りは避けるべきといえます。
できるだけ多くのスタッフが分析業務をこなせるように、顧客情報を管理・分析するためのツールを用いるのをおすすめします。
6. RFMの指標を把握するなら「アクションリンク」
RFM分析に必要な情報を収集・分析するなら、ECサイト特化型CRMツール「アクションリンク」もご確認ください。
「アクションリンク」はデータ収集・分析を通じて顧客像の把握に役立つとともに、分析・レポート機能による施策効果のチェックもできるツールです。
また課題が見つかり、シナリオに応じた細やかなフォローアップが必要なときも、メルマガの自動生成・自動配信により対応できます。
上記のような特徴があるため、以下の方におすすめのツールです。
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7. まとめ
RFM分析とは、R(最終購入日)・F(購入回数)・M(購入金額)の3つを指標として顧客を分析する手法です。
手元の情報が少ない場合でも分析ができ、顧客それぞれに適したアプローチが可能になるのが主なメリットといえます。
しかし商品の特性によってはRFM分析が適さない場合がある・作業が複雑になる場合があるなど、注意点もいくつか存在します。
場合によっては、間違った分析結果が出力されたり、多くのリソースを割いたのに失敗に終わったりしてしまう可能性も。
この記事でご紹介した内容をもとに、RFM分析を検討してみましょう。
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