CXMとは?選ばれ続けるECサイトを実現するたった一つの考え方

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スマートフォンの登場以来いつでもどこでも気軽にオンラインショッピングが楽しめる環境が整いデジタルテクノロジー進化は企業と消費者との関わり合を変化させています。

近年、消費者は在宅時間の長期化や非対面ビジネスの必要性からEコマースの利用頻度が増加しており、デジタルコマースその物が、単なる商品購買だけでなく、忘れられない顧客体験を生み出し、ロイヤリティを形成するためものとなってきています。
歴史的にみて従来はCS(カスタマーサポート)という観点から企業収益をあまり考えず顧客満足度を上げることに重点を置いていました。
その後、消費者のデータ取得が可能な時代に入るとCRM(カスタマーリレーションマネージメント)という概念が登場し、消費者ひとり一人のLTV(生涯顧客価値)を向上させるという戦略的な取り組みがなされるようになります。

ECサイトにおいても既存顧客のLTVの最大化が事業経営を安定化させ継続的な成長を可能にするため、CRMへの取り組みは急務ですが、昨今それに加え顧客体験マネジメント(以下CXM)という新たな概念が注目を集めています。

本稿ではCXMとは何か、なぜそれが重要なのかを説明するとともにEコマース企業がCXMに取り組むメリットについて解説します。

顧客体験マネジメント(CXM)とは何か

CXMとはCustomer Experience Management(カスタマーエクスペリエンスマネジメント)の略で企業と顧客との接点において生じる一連の体験の質を向上させることで長期的に顧客ロイヤリティを高める手法を言います。
カスタマーエンゲージメント、顧客満足度、顧客経験を重視したマーケティング手法で商品やサービスに対して見出した値段などの価値だけではなく、その際のやり取りに伴った満足度・感動などの価値向上を目的としています。
例えば、カフェを例にとると顧客はコーヒーを購入しに来ていますが、コーヒーの味だけを求めている訳ではありません。
お店の雰囲気、店員との会話、居心地の良い音楽、座り心地の良い椅子、リラックスできる空間、これらすべてがお店が提供する体験価値(カスタマーエクスペリエンス)と捉えることが可能です。
この体験価値(カスタマーエクスペリエンス)を向上させることが近年特に重要となっています。

CXMが生まれてきた背景

CXMが生まれてきた背景を大きく3つの視点から分析してみます。

1、経営的側面

既存顧客のロイヤリティを高め、顧客と長期的な関係を継続することで収益を最大化させるというブランド重視の経営戦略が多くの企業で取られるようになってきています。
顧客に最上級の体験をさせることで自社のサービスが消費者にとってオンリーワンであると認識させ他社との差別化が図られます。
CXMはモノが溢れている現代において、商品以外で他社との差別化をし長期的な収益を上げる経営戦略にマッチした考え方と言えます。

2、環境的側面

消費者はスマートフォンであらゆる情報を取得可能となりスマホを起点としたビジネス構築が求められています。
スマートフォン一つでいつでもどこでもショッピングが楽しめる環境が整い、特にSNS等でのインフルエンサーや消費者起点での情報発信は、企業からの一方的な広告とは異なり年々影響力を増しています。
ECサイトが提供する顧客体験が満足いくものであれば、消費者は口コミ等でその素晴らしさを瞬時に発信できる環境が整っています。

3、技術的側面

オンライン上でのデータ取得や統合可視化が容易となりまたそれを解析するAI技術の発達により既存顧客の全体像が把握しやすくなっています。
デジタルテクノロジーの進化により顧客ひとり一人に合ったサービス提供コストが従来よりも格段に安く実現が可能となっています。

従来型CRMとCXMの違い

顧客管理の手法としては従来型からCRM(カスタマーリレーションマネジメント)という考え方があります。
こちらは企業から見て顧客との関係性を定量データとして把握し顧客との長期的な関係性を構築するものです。
具体的にはCRMは顧客一人ひとりとの関係性をなるべく定量データとしてデータベース化することにより各顧客ニーズに対応した最適なアプローチすることを目的として開発されたマーケティング手法と言えます。
主なKPIとしてはLTV、リピート率などが挙げられます。

これに対してCXMは顧客から見て商品購入のプロセスや購入後の体験を把握し、購買体験やその満足度といったより定性的なデータも加味する点が異なります。
具体的にはCXMは顧客を中心として自社商品やサービスを購入するプロセスや購入後の利用シーンを想定しながら、価値ある体験や顧客満足を加味することにより長期的な顧客ロイヤリティを高める手法であり、主なKPIとしてはNPS(ネット・プロモーター・スコア)と呼ばれる手法が一般的です。

CXMが重視される理由

従来型のCRMからCXMが重視される背景としては、急速な情報社会の発展やスマホに代表されるデジタルデバイスの普及により、企業と顧客との接点が急激に増加し複雑したことが挙げられます。
それに加え社会が成熟するにつれて企業が提供する商品、サービスがコモディティ化し従来の品質、価格といった提供価値以外での差別化が求められるようになりました。
商品・サービスを継続して利用してもらうためには従来型の提供価値に加え商品・サービスに関わるすべてのフェーズで顧客の満足感を高め、ファンになってもらうことが重要です。
一度ファンになってくれた顧客はSNSや口コミ等で自ら情報発信をするため、それを知った新しい顧客が商品・サービスを利用してくれるという好循環が生まれます。
顧客中心視点に立ち、商品サービスを利用する「顧客体験」の向上を図るには顧客の主観的な感情にフォーカスする必要があります。
これは従来型の定量的なデータ分析だけで行うCRMの観点からは難しく新たな顧客マネジメントの手法としてCXMが注目されています。

CXMに取り組む3つのメリット

CXMの意味を理解し、事業に適切に導入することで、企業には様々なプラスの恩恵がもたらされます。 ここでは、CXMに本格的に取り組むことで得られる代表的なメリットを3つ紹介します。

顧客ロイヤルティの向上とLTV最大化

顧客が企業とのすべての接点で優れた体験を得られると、満足度が上がり企業やブランドへの信頼が深まります。 これにより顧客ロイヤルティが高まり、自社サービスへの定着率が大きく向上します。 他社への乗り換えを防ぐことで長期的な関係性が構築され、結果としてLTV(顧客生涯価値)の最大化に直結します。 価格競争に巻き込まれず、継続して商品を購入してくれる優良なリピーターを育成できるのが大きな強みです。

口コミによるブランドイメージ向上と新規顧客獲得

顧客体験の質が高いと、顧客自身がポジティブな感情を抱き、SNSやレビューを通じて自然と好意的な口コミを発信するようになります。 このような顧客の生の声は、企業発信の広告以上の信頼性を持ち、ブランドイメージの向上に大きく貢献します。 さらに、その口コミを見た別の消費者が関心を持ち、新たな顧客として商品を購入するという好循環を生み出します。 結果として、既存顧客の満足度を高めることが新規獲得の効率化にもつながります。

解約防止に伴う運用コスト削減

顧客体験が向上し、顧客の不満や離反のリスクが低下することで、解約手続きやトラブル対応にかかる人的リソースやコストを大幅に削減できます。 既存顧客を維持するコストは新規顧客を獲得するコストに比べてはるかに低いため、収益性の改善に直結します。 クレーム対応などに追われることが減り、より本質的なマーケティング施策やサービス改善に注力できる環境が整うことも企業にとってのメリットです。

cxm戦略を成功に導く実践ステップ

cxm戦略を単なる概念で終わらせず、実際の事業活動で成果を出すためには、体系的なアプローチが必要です。 ここでは、効果的に顧客体験を向上させるための実践的なステップを解説します。

1. ゴール(KGI・KPI)の明確な設定

まずは、施策を通じて何を実現したいのかという最終目標(KGI)を設定し、その進捗を測るためのKPIを明確にします。 KPIとしては、顧客ロイヤルティを数値化するNPSや、既存顧客の定着を示すリピート率などがよく用いられます。 客観的な指標を定めることで、現状の顧客の支持率を正確に把握し、施策の効果を定量的に評価できるようになります。 目標が明確になることで、関係者間の認識も統一されます。

2. カスタマージャーニーマップ等を用いた顧客理解

施策を企画する前に、まずは顧客の行動と感情を深く理解することが不可欠です。 商品を知ってから購入し、利用してアフターサポートを受けるまでの全プロセスをカスタマージャーニーマップとして可視化します。 各タッチポイントで顧客がどのような課題や不満、あるいは感動を抱いているかを分析します。 これにより、優先的に改善すべき接点が浮き彫りになり、的確な施策を打つことが可能になります。

3. パーソナライズされた顧客体験の設計と提供

顧客の全体像を把握した後は、個々の状況やタイミングに合わせたパーソナライズされたアプローチを行います。 購入履歴や閲覧データをもとに、一人ひとりに最適な情報を届ける仕組みを構築します。 この際、現場の担当者が無理なく運用できる設計にすることも重要です。 質の高いコンテンツを用意し、適切なタイミングで配信することで、顧客にとって価値のある体験を提供し続けることができます。

4. NPSなどを活用した継続的な効果測定と改善

施策は一度実行して終わりではなく、結果を検証しPDCAを回し続けることが重要です。 NPS調査などを通じて顧客のフィードバックを定期的に収集し、満足度が低いポイントや高いポイントをドライバー分析などで可視化します。 定量的なデータと定性的な意見を組み合わせることで、課題の根本原因を見つけ出します。 これにより、環境変化や顧客ニーズの移り変わりに柔軟に対応し、体験価値を向上させ続けることができます。

5. OMO施策などデータの統合と一元管理

オンラインとオフラインをまたぐ顧客体験をシームレスにするためには、すべてのタッチポイントのデータを統合する必要があります。 店舗での購買履歴やポイント情報と、ECサイトでの行動データを一元管理することで、実店舗とECの併用を促すom(Online Merges with Offline)施策が実現します。 弊社の実証データでも、ECと実店舗の併用を促すことでLTVが5倍になるケースが確認されています。 チャネルを跨いだ一貫したコミュニケーションは、顧客の利便性を高め、ロイヤルティを大きく引き上げます。

Amazonの企業理念から見える究極の顧客体験

「我々の目標は地球上で最も顧客中心主義の会社になること」これ顧客中心主義を標榜するAmazonの有名な経営理念です。
現在Amazonの国内売り上げ高は2.5兆円に達し、国内で最も優れたオンラインサイトいえるAmazonは顧客中心主義という考えを最も重視しています。
CXMを実現するためには顧客中心主義(カスタマーセントリック)の考え方が欠かせません。

顧客中心型の企業は、顧客を中心に据え、顧客に固有の課題と期待、およびニーズの背景
を理解しながら、その期待に応える製品やサービスを一貫して提供
しておりAmazon以外にもGAFAと呼ばれる世界の名だたる成長企業がこの考えを取り入れています。

CXMはどのECサイトも取り組むべき最優先事項

ECサイトが取り組むべきCXMにはどのようなものが挙げられるでしょうか?Amazonの様な巨大プラットフォーマーが行っているCXMは実は大手、中小ECサイトでも実現可能です。
ECサイトの場合、顧客とオンライン上での接点が増えるため顧客のデータを活用することで顧客一人ひとりに合わせた最適なコミュニケーションが実現可能です。
例えばあるお客様には過去購入履歴から興味のありそうなオススメ商品を紹介するメールを自動的に送ったり、また別のお客様には新着商品メールや売れ筋ランキングメールを自動的に送るといった個別具体的なコミュニケーションをAIやCRM/MAツールを活用して自動的に行うことが可能です。
画一的なメッセージ配信ではなく必要な情報をEC会員ごとに最適なタイミングで送ることで顧客のECサイト利用に対する顧客満足度は飛躍的に高まることでしょう。

まとめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれる中でEC企業の事業変革に向けたIT投資が活発化しています。
EC企業と顧客との関係性を強固にするCXMの取り組みはこれから徐々に広まっていくと考えられます。
環境面、技術面では既にCXMを実現する条件は整っています。
あとはECサイトの戦略としてこの考え方を実践するか否かによりECサイト間の競争の優劣が決まると考えられます。

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