【事例あり】オムニチャネルの意味から戦略まで専門家が徹底解説!
「実店舗だけで商品販売しているが、インターネット普及の影響を受けて売上の停滞に悩んでいる」
「ECサイト運営のみでサービスを提供しているが、新規顧客の獲得に頭を抱えている」
上記のようなお悩みを抱いている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
デジタル化の進む現代においては、顧客の購買行動も変化しており、一つのチャネルだけで売上を確保するのは難しいでしょう。そこで役立つのが、複数チャネルを活用して顧客と企業の接点を増やせるオムニチャネルです。
本記事では、EC通販の専門家がオムニチャネルの意味から戦略まで、わかりやすく解説します。売上アップや顧客満足度向上を図りたい担当者様は、ぜひご覧ください。
- Chapter
- オムニチャネルとは
- リアルとネットすべてにおいて顧客と接点を持つマーケティング施策のこと
- マルチチャネル・O2O・OMOとの違い
- オムニチャネルが企業から注目されている理由
- 顧客が他社のECサイトに逃げるのを避けるため
- 顧客の購買行動の変化に対応するため
- オムニチャネル化するメリット・デメリット
- メリット
- デメリット
- オムニチャネル化の成功事例
- イオン株式会社
- 株式会社ユニクロ
- 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
- Shajgoj(シャズゴジ)
- オムニチャネル戦略を成功させる手順
- 手順①ロードマップを作成する
- 手順②カスタマージャーニーマップを作成する
- 手順③データ連携・システムを統合する
- 手順④社内の連携体制を整える
- 手順⑤PDCAを繰り返し回す
- 情報を一元管理できるCRMなら「アクションリンク」
- まとめ
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オムニチャネルとは
オムニチャネルとは、顧客がどんなルートを経由しても自由に商品やサービスを購入できる仕組みのことです。
まずは、オムニチャネルの詳細についてご案内します。
リアルとネットすべてにおいて顧客と接点を持つマーケティング施策のこと
オムニチャネルとは、リアルとネットのすべての経由において、顧客と企業が接点を持つマーケティング施策のことです。
「オムニ」は「すべて」という意味であり「チャネル」は「媒体」「経由」「ルート」などの意味を持つ英単語です。
なお、チャネルには、InstagramやXを始めとするSNSやメールマガジン、実店舗などさまざまな販売媒体・ルートが含まれます。
企業・店舗側がオムニチャネル化をすることで、顧客は多様なルートのなかから自分にあった購入方法を選択できます。
マルチチャネル・O2O・OMOとの違い
オムニチャネルと混同されがちな用語に、マルチチャネル・O2O・OMOなどがあります。
次に、マルチチャネル・O2O・OMOとオムニチャネルの違いをご紹介します。
マルチチャネルとの違い
オムニチャネルとマルチチャネルとの違いは、チャネルごとの在庫データや顧客データが独立しているか否かです。
オムニチャネルとマルチチャネルは、カタログ・ECサイト・実店舗などすべてのチャネルにおいて、顧客が自由に商品やサービスを購入できるという点に関しては同じです。
しかし、オムニチャネルは在庫や顧客データを連携させて一元管理します。
例えば、自社のECサイト上には在庫があるのに実店舗では品切れ状態になるといった事態を回避できます。
一方で、マルチチャネルはチャネル間で在庫データや顧客データを連携させません。
在庫データの例でいえば、店舗に在庫がなかった場合にも別のチャネルで在庫が見つかる場合があります。
マルチチャネルが、より便利になったものがオムニチャネルと把握しておくとよいでしょう。
O2O(Online to Offline)との違い
オムニチャネルとO2Oは、どちらもオンラインが活用されるマーケティング施策ですが、アプローチが異なります。
オムニチャネルは、オンライン・オフラインのチャネルを連携させて、顧客が自由に購入するチャネルを選べるようにする施策です。
一方で、O2Oは顧客にオンラインで商品やサービスの情報を提供して実店舗に誘導する施策のことです。具体的には、スマートフォンアプリのクーポン配布などがO2Oに該当します。
どちらも便利な体験を顧客に提供する施策ではありますが、導入の目的や得られる効果が全く異なります。
OMO(Online Merges with Offline)との違い
オムニチャネルとOMOは、どちらもオンラインとオフラインとを統合するマーケティング施策ですが、オムニチャネルがオンラインとオフラインとを明確に区別しているのに対して、OMOでは区別していない点が異なります。
オムニチャネルを導入すると、機能や効果の異なるチャネルを連携させ、顧客が自由に販売方法を選べる状況を実現できます。
一方で、OMOにはそもそもオンラインとオフラインとの隔たりがありません。OMOでは、あらかじめオンラインの中にオフラインのチャネルが組み込まれます。
OMOの具体例をいくつかご紹介します。
- 出入り口のゲートを通るだけで自動的に会計処理がされる食品販売店
- 専用アプリで事前にカスタマイズ注文してレジで受け取る仕組みのコーヒーショップ
OMOは日本国内での事例はまだそれほど多くありませんが、海外で導入が進んでいることから、将来的に日本でも主流の施策になる可能性があります。
オムニチャネルとOMOとは、概念やアプローチが異なるマーケティング手法です。
オムニチャネルが企業から注目されている理由
オムニチャネルが複数の企業から注目されている背景には、インターネットの普及が大きく影響しています。
この章では、オムニチャネルが多くの企業から注目されている理由をわかりやすく解説します。
顧客が他社のECサイトに逃げるのを避けるため
オムニチャネルが多くの企業から注目されている理由は、顧客を他社のECサイトに逃がさないためです。
デジタル化が加速する現代においては、実店舗で品定めをしたうえでECサイトを利用して同じ商品を低価格で購入する顧客も少なくありません。
なお、実店舗の顧客がインターネットで他のECサイトを確認して購入する行動のことを「ショールーミング」といいます。
ショールーミングは、インターネットが身近になった近年特有の問題です。
実際、総務省が公表しているデータによれば、国内における顧客の購買行動の7割以上はインターネットで商品を確認するために実店舗での購入を保留するとしています。
このような背景から、実店舗のみで商品を販売している場合は、24時間どこでも低価格で商品を購入できるECサイトに危機感を覚え、対策に動いている企業が多いのが現状です。
オムニチャネル化することで、顧客が他社のECサイトから商品を購入するのを回避できる可能性が高まるでしょう。
顧客の購買行動の変化に対応するため
企業がオムニチャネルに注目する理由は、顧客の購買行動の変化に対応するためでもあります。
近年では、スマートフォン一つあれば、複数のチャネルで商品を比較できるうえに、好きなタイミングで商品を購入できます。
これまで一つのルートのみで商品販売していた企業がオムニチャネル化すれば、顧客の購買行動に合わせて商品を提供でき、売上アップにもつながるというわけです。
オムニチャネル化するメリット・デメリット
オムニチャネル化導入の是非を検討するうえで必ず押さえておきたいのは、メリット・デメリットです。
この章では、オムニチャネル化するメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
オムニチャネル化をすることで、売り上げアップにつながるポジティブな効果を得られる可能性があります。
メリットを3点ご紹介します。
メリット①顧客の満足度が向上する
オムニチャネル化するメリットは、顧客の満足度が向上することです。
オンライン・オフライン問わず、商品を購入できるようになれば、顧客にとって利便性が高まるでしょう。
利便性が高まれば、企業のイメージアップにもつながります。
メリット②顧客にマッチするマーケティング施策ができる
顧客に一人ひとりに最適なマーケティング施策が可能になるのも、オムニチャネル化する利点です。
全チャネルのデータを連携して分析することで、より顧客にマッチするマーケティング施策が打てます。
メリット③顧客の離脱を回避できる
オムニチャネル化することで、顧客の離脱も回避できます。
例えば、実店舗のみで商品販売している場合は、顧客の購買行動の変化により購入を保留され、他社のECサイトから商品を購入されるといった事態に陥りやすいでしょう。
デメリット
オムニチャネルを導入するには、デメリットが発生する可能性もあります。
導入した後にデメリットに直面すると取れる対策が限られてしまうことが多いため、事前に確認しておきましょう。
デメリット①効果が出るまでに時間がかかる
効果が出るまでに多少の時間を要するのが、オムニチャネル化のデメリットです。
オムニチャネル化したからといって、すぐに効果が出るとは限りません。連携したデータを元に、分析をし、新たなマーケティング施策を考える必要もあります。
デメリット②初期費用・月額費用がかかる
オムニチャネル化するためには、複数チャネルの構築費・各チャネルを統合するためのシステム導入費・データ管理費などが必要になります。そうなると一定規模の初期費用や月額費用がかかってきます。そのため期待される成果に対し投資対効果が見合うのか慎重な検討が必要となります。
デメリット③実店舗の売上が低下する恐れがある
オムニチャネル化することで、実店舗の売上が低下する恐れがあるのもデメリットの一つです。
特に、これまで実店舗のみで商品販売していた企業の場合は、ルート自体が分散するため一つあたりのルートの売上が低下するリスクが高いといえるでしょう。
オムニチャネル化の成功事例
オムニチャネル化で成功を収めた事例から、成果をあげるためのポイントを抑えたい方もいらっしゃるでしょう。
この章では、オムニチャネル化の成功事例を4つご紹介します。
イオン株式会社
衣食住すべてのサービスを展開するイオン株式会社が、オムニチャネルとして「AEON.com」を開設しました。「AEON.com」は、イオングループのネット販売のポータルサイトです。
イオングループの商品が集約されており、さまざまな商品をインターネット上で購入できるようにしました。その結果、実店舗以外からの顧客の獲得に成功します。
株式会社ユニクロ
世界に事業を展開する株式会社ユニクロは、比較的早くにオムニチャネルに取り組みました。
その施策のひとつが、ユニクロのオリジナルアプリに入っている買い物アシスタント「UNIQLO IQ」です。AIを活用したチャットロボットがスタッフに代わり、買い物をサポートしてくれるというものです。顧客好みの商品探しをサポートしたり、購入後の配達状況も確認できたりします。
さらに、実店舗とECサイトをつなぐことで、アプリケーション経由で購入した商品の店舗受け取りも可能にしました。
これにより、アプリケーション経由の売上を80%増加させることに成功します。
※参考:FASHIONSNAP|ファーストリテイリング、グループEC化率が11%に
株式会社セブン&アイ・ホールディングス
24時間顧客に寄りそう株式会社セブン&アイ・ホールディングスのオムニチャネル「Omni7」は、2015年11月にオープン。
「Omni7」では、セブン&アイ・ホールディングスが提供するすべての商品を購入できるうえに、店舗での受け取りや商品発送の手配まで可能にしました。 24時間営業するセブン-イレブンで商品の受け取りを可能にしたことで、利便性の高いサービスとして多くの顧客から好感を得ることに成功しています。
その後「Omni7」は2023年1月をもって終了しましたが、グループ会社各社が通販サイトをリニューアル。各ECサイトでの商品購入にはセブン&アイの各種サービスで使える共通ID「7iD」を必須とすることで、横断したデータ連携を可能にしています。
Shajgoj(シャズゴジ)
Shajgojはバングラデシュの企業で、デジタルチャネルとリアル店舗を組み合わせたオムニチャネルで化粧品販売を実施しています。
近年では、正規品をコピーした化粧品が多く流通していますが、小売業者から直接仕入れることで正規品の提供を可能にしました。
その上で、ビューティーアドバイザーが化粧品に関する正しい知識・情報を動画や記事形式で発信するとともに、リアル店舗や電話、チャットなどでの顧客からの質問に対応する体制を整えたことで、消費者とのつながりを深めることにも成功しています。
また、総売上の約9割がデジタルチャネルからの購入となっているのも、オムニチャネル化の成功の証だといえるでしょう。
※参考:JETRO 日本貿易振興機構|化粧品EC企業、オムニチャネルで顧客との心のつながり育む
オムニチャネル戦略を成功させる手順
オムニチャネル戦略を成功させるためには、計画的に取り組む必要があります。
この章では、オムニチャネル戦略を成功させる手順をご紹介します。
手順①ロードマップを作成する
まずは、ロードマップを作成します。
オムニチャネルは企業全体で取り組むため規模が大きく、ゴール設定を怠ると進むべき道を見失う可能性があります。 具体的には、いつ・誰が・誰に・どのような方法で・何を目的として実施するのか、細かい目標を立てましょう。
手順②カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップを作成して、顧客の思考や行動を考えマーケティング施策を見直すのも重要です。
具体的には、ターゲットとする顧客を設定し、その顧客が商品を認知してから購入するまでの流れを可視化します。
その過程で顧客がどのような行動を取るのか把握できれば、どのようなチャネルが必要か判断できるでしょう。
手順③データ連携・システムを統合する
オムニチャネル戦略を成功させるためには、データ連携とシステム統合も欠かせません。
そのため、顧客データや在庫データなどを統合するシステム環境を整える必要もあります。
例えば、CRM・SFA・MAを連携させれば、複数チャネルから収集された顧客情報を一元管理できます。
ただし、それぞれのツールを新たに導入する場合は、それなりの費用がかかるためCRMとMAが一体化されているツールの導入を検討するのもよいでしょう。
併せて、MAツール・CRMツールについて把握したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
『【どこよりもわかりやすく解説】マーケティングオートメーション(MA)とは?』
『CRMシステムとは?SFA・MAとの違いから導入メリットまで確認』
手順④社内の連携体制を整える
オムニチャネル戦略を成功させるためには、社内の連携体制を整えることも重要です。
多くの企業では、マーケティング部署・販売部署・営業部署などがそれぞれ独立しているかと思いますが、オムニチャネルでは一貫性のあるサービスを顧客に提供することがポイントです。
そのため、社内の連携体制を整えて、企業全体で複数チャネルを運用しましょう。
また、複数チャネルの特徴を最大限に活かすためにも、企業全体で戦略を練ることも重要です。
チャネルごとに顧客を奪い合うのではなく、社内で協力して全体の売上を伸ばしてください。
手順⑤PDCAを繰り返し回す
オムニチャネル戦略を成功させるためには、PDCAを繰り返し回すこともポイントです。
競争の激しい現代においてオムニチャネル化は必須ですが、すぐに効果が出るわけではありません。
目指す効果を得るためにも、計画・実行・評価・改善を繰り返しましょう。
情報を一元管理できるCRMなら「アクションリンク」
オムニチャネル化を成功させるためには、複数チャネルの顧客情報を統一する必要があります。
また、複数チャネルへの誘導も不可欠です。
しかし、顧客情報管理システムやマーケティング施策に対応しているツールをそれぞれ導入する場合は、それなりの費用がかかります。
オムニチャネル化しても、ツールに高額な利用費がかかれば、継続させるのも難しくなるでしょう。
弊社の「アクションリンク」は、複数チャネルの顧客情報を統合して、それぞれの顧客にマッチするアプローチが可能な、EC通販に特化したMA・CRMツールです。
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まとめ
オムニチャネルとは、オフライン・オンライン問わず、あらゆるチャネルを経由して顧客が自由に商品やサービスを購入できる仕組みのことです。
デジタル化の進む現代においては、実店舗のみ、ECサイトのみなど、一つのチャネルだけでは顧客を逃がしてしまうかもしれません。
オムニチャネル化により、いつでもどこでも商品やサービスを購入可能にすることで、顧客に最適な購買ルートを提供できます。
実店舗やECサイトにおける売上停滞にお悩みの方は、オムニチャネル化を検討してみましょう。
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よくあるご質問
- オムニチャネルとは何ですか?
- オムニチャネルとは、オフラインとオンラインのすべてのチャネルを統合して、顧客がどのチャネルでも商品やサービスを購入できるようにするマーケティング戦略です。
- オムニチャネルのメリットは何ですか?
- オムニチャネルの主なメリットには、顧客満足度の向上、顧客データの一元管理、顧客離脱の防止などがあります。これにより、売上アップや顧客ロイヤリティの向上につながります。
- オムニチャネルとマルチチャネルの違いは何ですか?
- オムニチャネルとマルチチャネルの主な違いは、チャネル間でのデータ連携と統合です。オムニチャネルではすべてのチャネルが連携して一元管理されますが、マルチチャネルでは各チャネルが独立して運営されます。
- オムニチャネル戦略の成功事例はありますか?
- イオン株式会社や株式会社ユニクロ、株式会社セブン&アイ・ホールディングスなどの企業が、オムニチャネル戦略を成功させています。これらの企業は、オンラインとオフラインのチャネルを統合し、顧客体験の向上を実現しました。
- オムニチャネル化する際の注意点は何ですか?
- オムニチャネル化する際の注意点には、効果が出るまでに時間がかかること、初期費用や維持費用がかかること、実店舗の売上が一時的に低下する可能性があることなどがあります。
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